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2018年5月19日 (土)

ぼくが死んだら誰が記事にしてくれるのか?

いつの頃からか、最後のページを2ページも使って老眼鏡で見ても読めないくらいの小さな文字で、びっしりとその月の出来事などをぼくが書いている。
 
1986年11月号で、ルネさんの表紙絵だ。
 
 
 
「先日、朝早くから中年の夫婦が訪ねてこられた。末っ子の息子さんが高校3年生で17歳。
 
その息子さんのところへ知らない人から手紙がひんぱんに送られてくるので、開けてみてしまったのです。それでびっくりして編集部を訪ねてこられたのです。
 
元の原稿を調べてみたら、やはり18歳と書いてあるのです。未成年者は文通欄に載せないようにしているのは、このようなことになりかねないからです。
 
お父さんも温厚な方だからよかったものの、相手の人に怒鳴りこむお父さんもいるのです。
 
ぼくが書いた『薔薇族編集長奮戦記』をさしあげて、よく読むように言って、おひきとり願ったのですが、こんなときにこの本が役に立つのです。
 
 
 
この年齢のときには誰でも同性に目が向くことがあって、また異性に戻っていくのだということを、ご両親に希望をもたせたのですが、あまりにもショックを受けているご両親を見ていると、こちらまでガックリとくるのです。
 
男が好きだということは、悪いことではないという話をよくしてあげたのですが。」
 
 
 
また、こんなことも書いている。
 
 
 
「美しい娘さんを連れたお母さんが訪ねてこられた。
 
娘さんがお見合いをしたそうですが、相手の男性が何ヶ月かたつのに、手も握らないので変だというので、興信所に十何万円も出して調べさせたのだそうです。
 
商売とはいえ、よく調べたもので、はっきりと断定はしないものの、30何歳になるまで女性関係がまったくないのだから、疑われても仕方がありません。
 
ぼくは男性の味方をしないわけにいかないので、こうした女性が訪ねてくると、本当のところは困るのです。
 
まあ、興信所が調べあげてしまっているのだから、ぼくがとやかく言うまでもないのですが……。」
 
 
 
「編集室から」の裏のページには、藤田竜さんが1ページ使って「今月の裏話」を書いている。
 
「神戸のバー「豆」の多くのお客さんに愛された名物マスター、通称・大(おお)豆さんが、この夏のさなかに亡くなりました。食道がんでした。
 
弱音は、はかなかったそうですが、ものが食べづらいようで、少しずつ痩せてきたのだそうです。そして100日入院して、残念な結果になってしまいました。69歳でした。
 
とてもそんな年には見えない若々しさで、満員の店の中をニコニコして泳いでいたのに。
 
「豆」の7周年記念のパーティーを、新造の大型船を借りきって、瀬戸内海クルージングという派手やかで、楽しい形にしてくれた、去年のあの日と同じ日、奇しくもかっきり1年後の8月4日の夕方に亡くなったのです。
 
あの日、船の上で大豆さんは、ぼくに「息子たちにも店をもたせたし、もう自分は好きなことだけしていればいい」と、嬉しそうでした。
 
私生活と仕事でのよき相棒、通称・小(こ)豆ちゃんと知り合って十年あまり、充分しあわせな人生だったと言えるでしょう。
 
店は小豆ちゃんがひきついでいます。大豆さんには店が賑やかなのが何よりの供養になるのですから、一度でも行ったことのある人は、どうぞ、また行ってあげてください。
 
小豆ちゃんは、まだ死の実感がなくて、いつものように大豆さんが「おはよっさん」と現れるような気がしてならないと言っています。」
 
 
 
竜さんが亡くなって間もなく、養子にしたよっちゃんも亡くなってしまった。あわれ。
 
 
★コメントをよろしく。
 
 

 
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コメント

あわれとは思いません。
あわれと感じる伊藤さんは、感性が違うからと思います。

投稿: | 2018年5月19日 (土) 13時57分

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