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2018年9月 1日 (土)

『薔薇族』は匂いとともに消えないぞ!

昭和50628日号の週刊読売(1975年・今から43年前)の表紙に「この表紙の薔薇は匂います。」と大きく刷り込まれている。

 

薔薇の花が咲き乱れる写真の上にだ。

 

俳優の上原謙さん(65)が、28歳の歌手と結婚するという記事が載っている。

 

上原謙さんといったって若い人は知らないだろうが、加山雄三さんのお父さんだ。

 

雑誌の値段が150円とあるから古い話だ。

 

「薔薇」の特集になっていて、薔薇にまつわる話がいくつも載っている。

 

「薔薇の木に 薔薇の花サク ナニゴトの不思議ナケレド」

 

北原白秋の詩が、かこみで大きく載っている。

 

特集の最後に「表紙のバラの匂いについて」とあり、「今号の週刊読売は、表紙のバラに香りをつけて、雑誌印刷技術上、ちょっと遊んでみました。

 

このバラの香りは、特にどのバラということではなく、バラのもつ一般的な芳香ということで、精製は高砂香料です。

 

大日本印刷では、その香料が逃げないような特殊なインクにまぜて表紙を刷りあげました。

 

印刷工場の部屋には、甘く妖麗な香りが、ふくいくと満ちたそうです。」

 

 

 

こんなお遊びができたということは、いい時代だったということだ。

 

週刊読売って、今あったっけ。

 

「バラ」と言えば『薔薇族』を忘れてしまっては困る。

 

だがちゃんと『薔薇族』が載っていた。

 

 

 

「リルケはホモだったかな。

 

そうしてまた三島由紀夫の『薔薇刑』、ジャン・ジュネの『薔薇地獄』もまた。

 

なんのことか、わかる人にはわかるそうですが、わからない人にはぜんぜんわからんのでありますが、なぜ『薔薇族』というと、ホモ諸氏の代名詞となったのでありましょう。

 

一説には、その人体部品が、薔薇の蕾に相似たりと言う人もいますが、日本では古来、「菊座」という言い方もあって、菊の花のほうが似ているのになあと、つぶやいている紳士もいます。

 

『薔薇族』という雑誌を発行しているオジサンに聞いてみましたら「一口で言いますと、ホモ愛好家には、薔薇好きが多いからですよ。

 

ホモ愛好家というと、従来、ともすると隠花植物的な存在で、世間とは孤立していました。

 

これら孤独な魂に、連帯感を持たせ、彼らに市民権を獲得させたい。

 

そんな願いを込めて「族」の一字をつけてみたのです」ということでしたが、こういうことは市民権なんか与えないで、隠花植物のままにしておいたほうがステキではないでしょうか」

 

 

 

43年も前に週刊読売の記者に取材されどんな話をしたか、覚えているわけがないが、間違っても「ホモ愛好家」なんて、ぼくが言うわけがない。

 

最初から『薔薇族』を茶化して書いている記事だから、今更文句を言っても仕方がないが、「隠花植物のままにしておいたほうがステキではないでしょうか。」とはふざけた話だ。

 

週刊読売を今、嗅いでみても匂いはとうに消えている。

 

雑誌そのものも消えてしまったのでは。

 

 

 

リルケの詩が紹介されている。

 

いい詩だ。

 

 

 

この薔薇は、きのうあの少年がくれたものだ。

 

今日、僕はその同じ薔薇を

 

あの少年の新しい墓にたずさえてゆく

 

薔薇の葉陰に、小さな雫がいくつも光っている

 

さあ 見給え

 

今日は それも 涙なのだ

 

昨日は朝露だったのが……

 

 

 

それにしても『薔薇族』、いいネーミングだった。

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