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2019年4月13日 (土)

『男色の景色』のすべてが見える!

丹尾安典(たんおやすのり)さんは、早稲田大学文化構想学部、ぼくには理解できないわけのわからない学部の名物教授だ。
 
先生の授業時間にぼくを招いてくれて、広い階段教室で講演をさせてくれた。
 
これはかなり前のことでいつの頃だったか忘れてしまっているが、講演が終わってから何人かの学生たちと中華料理店で、ごちそうになったことだけはよく覚えている。
 
早稲田大学の図書館に、ぼくが所蔵していた『薔薇族』が創刊されるかなり前、昭和27年9月10日号創刊の会員制のゲイ雑誌『アドニス』これは貴重な雑誌で、将来ゲイの歴史を知る上に役に立つもので、第60号まで揃っている。
 
丹尾さんが仲立ちして購入してくれた。
 
『アドニス』の別冊『APOLLO』には、三島由紀夫さんが文体とペンネーム榊山保で書いた「愛の処刑」と、推理小説作家で『虚無への供物』の著者、中井英夫さん(途中から『アドニス』の編集者になった人、『短歌研究』の編集長時代に、寺山修司くんを世に送り出した人でもある)の小説と、もうひとりはNHKの職員で、『薔薇族』に作品を寄せてくれた仁科勝(ペンネーム)さんの3人の作品が納められている。
 
このことを知っている人は、ぼくしかいないので書き残しておきたい。
 
この他に『アドン』の編集部から発行された『ムルム』も早大図書館にあり、『薔薇族』も欠号が多いがある。
 
一般の学生は見れないが係の人に頼めば見せてくれる。
 
これからのゲイの研究者の参考になると思う。
 
国会図書館にはないから……。
 
 
 
2008年に丹尾安典先生は、新潮社から『男色の景色――いはねばこそあれ――』と題して出版したものを角川文庫で『男色の景色』(定価960円+税)が手頃な値段で発売された。
 
カバアは地味な色あいだが、芝生に寝転んでいる少年の写真が、別にヌードでもないのに妙にそそられる。
 
そばに開かれた本が置いてあるが、なんの本だかわからない。
 
学者というのは多くの文献を読んで、書かれるのだから、一冊の本にまとめるには長い時間がかかるのだろう。
 
もちろん『薔薇族』のことも多くの頁をさいて紹介してくれている。
 
その中には寺山修司君が『薔薇族』に寄せてくれた「世界は、おとうとのために」と題する詩も紹介されている。
 
この原稿は宝物なので大切に保存しているが、なぜか寺山君専用の原稿用紙にかかれているが、サインがない。
 
奥さんの九條さんが元気な頃、渋谷の画廊で出会った時に聞いた話だが、普通なら下書きに書いてから清書するのだろうが、きれいな字で書かれている。
 
寺山君はきれいな文字で最初から書くというので驚いたことがある。
 
寺山修司君、サインをしたらこの詩の内容からご自分がゲイだということを証明してしまうことになるので、考えぬいてサインをしなかったのだろう。
 
奥さんにぼくは「寺山君はゲイだったのですか?」と聞いたところ「そうです」と答えてくれた。
 
寺山修司君、ゲイだったからすばらしい作品を残すことができたのだ。
 
『男色の景色』のオビには、万葉集、世阿弥、琳派、三島、川端――日本文化史を艶に彩る男と男のいる風景と書かれている。
 
正直なところぼくは、まだ読んでいない。
 
『薔薇族』のことが書かれているところだけは読んでいる。
 
全部読み切るのはいつのことになるかわからない。
 
書店に並んでいるうちに紹介しておかないと興味を持って購入してもらえない。
 
とにかく面白い本だから読んでほしい。
 
川端康成さんの『伊豆の踊子』の話は、興味がある。
 
どうしても読まねば……。

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