« 『薔薇族』がエイズ予防の防波堤に! | トップページ | LGBTは少数者か! »

2019年5月11日 (土)

あのエイズ騒ぎを忘れるな!

NHKのBSプレミアムで、毎週火曜日の21時から23時までの1時間番組「アナザーストーリーズ」で、6月25日(火)にエイズの感染者が多く出て大騒ぎになったころの話を取材して放映するそうだ。
 
エイズのことなど、いろんなことが次から次へと起きるから忘れているが、後の世の人のために残しておきたいと、ぼくも協力している。
 
周りを見渡してもあの時代のことを知っている人はぼくしかいないではないか。
 
帝京大学付属病院の松田先生も診察をやめられて、教壇に立っておられるそうで、74歳になられている。
 
『薔薇族』の1986年8月号に「エイズに気を許すな!」というタイトルで、松田先生に診察を受けた読者が、松田先生に宛てた手紙が載っている。
 
あの時代、自分がエイズに感染したのではないかと、心配する気持ちがなまなましく綴られている。
 
 
 
「心は動揺しながら、手はふるえながら書いています。電話口の先生の声は、まさに神の声に聞こえました。本当にありがとうございました。
 
この1年間、本当に苦しい毎日でした。『薔薇族』に掲載されている症状があまりにも似ている箇所が多かったものですから……。
 
一時は死を覚悟しました。自殺も考えました。夜も眠れぬ日が続きました。しかしながら先生の「大丈夫だよ」とのお声。本当に天の声でした。
 
それにしても私たちだけ、なぜ、このような目にあわなければならないのでしょうか。夜な夜なソープランドなどで欲望を満たす男たちに天罰はないのでしょうか。
 
私たちは何の悪いこともしておりませんのに、ただ同性が愛の対象というだけで、一生苦しい、暗い人生を送っていかなければなりません。
 
重い十字架を背負って、でも、死ぬことをも考えた私です。助けていただいた以上、一生懸命に生き続けます。何が何でも生きていかなければなりません。
 
もう、先生にお会いすることはないと存じます。威厳の中にもやさしさと、慈愛の目に満ちた先生のお姿を一生忘れません。本当にありがとうございました。(心はまだ乱れており、自分でも何を書いているかわかりません)はるか九州より先生のご活躍をお祈りいたします。
 
最後に世間にこのことが知られることを恐れて偽名を使い、やさしい言葉をかけていただいたのに、保険を使わず、自費で治療していただいたことをお詫び申し上げます。
 
このことは先生に対しまして、私の一生の申しわけなさとして残るでありましょう。先生のご健勝をお祈りいたし、お礼とお詫びを心より申し上げます。山崎憲司拝」
 
 
 
33年前の九州からはるばる上京して、松田重三先生に、エイズの検査をしてもらった読者の手紙だ。
 
エイズは感染しても、何年かの潜伏期間があったから、それだけなんらかの症状が出たりすると、不安になったのだろう。
 
松田先生は藤田竜君のエイズに関する質問に、こまごまと答えてくれて、その上、ぼくらが話す読者の現状を熱心に聞いてくれた。
 
「同性愛のことって、医学の教科書には載っていなのですよ」と言って、同性愛の人が多くいることに驚き、「同性愛って病気だと思っていたんですよ」と、笑いながらおっしゃった。
 
『薔薇族』と松田先生との出会いは、本当に読者にとってラッキーだった。
 
松田先生、ぼくの著書の出版を祝う会にも出席してくれて、スピーチもしてくれた。
 
ぼくはなんと人との出会いに運が強いのだろう。

|

« 『薔薇族』がエイズ予防の防波堤に! | トップページ | LGBTは少数者か! »

コメント

関西某都市のソープ嬢がエイズで亡くなった時には、エイズパニックになりソープ利用者からの問い合わせが行政に殺到したというニュースがありました。
しかし、当初はエイズは男性同性愛者特有の病気で有るとか、日本人は体質的に感染しないという認識が多くの日本人に有ったのです。
その認識に一役買ったのが、行政でした。

投稿: 関西でのソープ嬢エイズ騒ぎ | 2019年5月11日 (土) 20時05分


夜な夜なソープランドなどで欲望を満たす男たちも、何の悪いこともしておりません。
人間という生物の本能として自然です。

投稿: | 2019年5月11日 (土) 14時18分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 『薔薇族』がエイズ予防の防波堤に! | トップページ | LGBTは少数者か! »