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2020年11月 9日 (月)

発禁処分になってかえって売れました!

『薔薇族』創刊4周年(第30号、今かrあ45年前)記念特大号にぼくは、「創刊4周年に寄せて・ひとりひとりと握手を」と書いている。

 

「ぼくの長男(小学校5年生)が、まだ2つか3つのころでした。ヨチヨチ歩きのあぶないさかり。そのころのぼくらは共稼ぎで、女房が勤めに出ていることの方が多く、ぼくのほうが子供に怪我をさせてはいけないとお守役でした。ひまだったんだな、今考えると。

 

単行本しか出していなかったから、仕事に追われることもないし、子供のお守りができたのです。

 

家に子供を置いてお袋に任せておくよりは、車(ホンダの軽四輪でした)に乗せて、本の配達に出かけたり、印刷屋や製本所まわりをするほうが気が楽だったのです。

 

自分しか頼れるものはないと思っていたし、自分で運転する車なら、もし事故を起こしてもあきらめがつくからです。子供をけがさせないで育てることも仕事の一つと、毎日のように車に乗せて走り回っていたのです。

 

3月12日、朝の頃、まだ寝ているうちに警視庁保安第1課から、6人の担当官がこられて、『薔薇族』の2月号と4月号をわいせつ文書図画販売目的所持の容疑で調べるとのことでした。

 

東京新聞のその日の夕刊に、こんなふうに報道されています。

 

「ワイセツで手入れ 月刊誌『薔薇族』

警視庁保安第1課は12日、男性同士の性愛描写をした月刊誌『薔薇族』をワイセツ出版物と断定、発売元の東京都世田谷区代沢5−2−11株式会社第二書房をワイセツ文書図画販売の疑いで家宅捜索し、証拠品多数を押収した。

 

手入れの対象になったのは、2月号、4月号で、いずれも全員にわたり絵入りで男性同士の性愛の模様を露骨に描写している。」

 

証拠品多数を押収などというと、どこからどこまで家探ししたように受け取れますが、この日の調べは大変紳士的で、机の引き出しを勝手に開けたりすることもなく、どこの取次店に何部納入しているか、また印刷所、製本所の請求書、領収書(これは何部印刷されているかを知るため)の提示を求められただけでした。

 

それと2月号、4月号の残本を持っていかれただけ。ですから読者が心配している文通欄の名簿を持っていくということは一切ありませんでしたから、ご安心ください。

 

さて、2月号と4月号のどこをワイセツと指摘されたかというと、2月号に関してはグラビアページの「もの憂い夜」撮影・波賀九郎のページです。陰嚢と陰毛が見えるというのです。

 

4月号は「女性自身」の男性ヘアーの問題があり『薔薇族』に波及するおそれがあったので「ヘアーが見えた」にぼくの見解をのべておきました。

 

告白体験記「野郎はいいぜ」のほとんど全ページが指摘、それから「男色西遊記」これは本文の全ページにわたって指摘されました。

 

写真の波賀九郎、嵐万作の諸君も呼ばれ、アルバイトの姉まで呼ばれました。調書調べも紳士的で、わざわざ試写室を使ってくれ、お茶も何度もいれてくれました。

 

今度は検事の調べで、松宮崇検事が担当で、さすがに頭のキレが良い方で、話を一応聞いて書記官に筆記させるのですが、非常に要領良く文章にしていくのには驚きました。

 

結果においては、絵、写真については罪にするに値しないという検事の見解でした。

 

交通違反と同じように略式で、ぼくが20万円、嵐万作さんが10万円(ぼくが払いました)はらって終わりでした。

 

取次店も、書店も「もう売らないよ」ということもなく、いつものように売ってくれているので安心しました。」

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