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2021年1月11日 (月)

「暴れん坊将軍」の中で生き続けている!

ぼくはもう何年も時代劇にはまっている。世田谷文学館が創立されたころ、友の会を立ち上げようということになった。

 

10人近い人が役員になったが、その中のひとりにぼくも。東方の映画監督から、テレビの時代になって、「鬼平犯科帳」などの監督になった高瀬昌彦さんもそのひとりだったので親しくなった。

 

その後、会長もあの世に去り、役員会も立ち消えになってしまった。

 

「鬼平犯科帳」の原作者、池波正太郎さん、子供さんがいなかったようで、版権の所有者は、めい子さんになっている。

 

不思議なえんで、そのめい子さんのご主人と知り合い、画家だったので『薔薇族』の表紙絵を描いてもらったこともある。

 

時代劇はよくできている。『暴れん坊将軍』は、松平健さんの当たり役で、視聴率もよかったのだろう、多くの作品が残っている。原作はないようで、脚本家が才能のある人で、じつに面白い作品になっている。

 

最後は悪いやつが斬られるのだが、必ず30人ほどの斬られ役の役者が登場する。その中のひとりが福本清三さんだ。

 

「5万回斬られた男」と題して、その死を新聞が報じている。1日、肺がんのために死去した。77歳だった。

 

兵庫県生まれで、15歳で東映京都撮影所に専属演技者として入所、映画『野球一族の陰謀』やテレビ『暴れん坊将軍』『水戸黄門』など、時代劇を中心に出演し、派手に後ろ向きに倒れる、鮮やかな斬られ方で人気を集めた。

 

2003年に米映画『ラストサムライ』に出演。04年には第27回日本アカデミー賞協会特別賞を受賞した。14年の映画「大秦ライムライト」で初めて出演を務め、カナダの第18回ファンタジア国際映画祭の最優秀主演男優賞に並ばれた。

 

時代劇の撮影で、斬られた。「お前死に方が上手だな」。主役の萬屋錦之介に声をかけられたという。「芝居が上手ということだよ」とも。うまい芝居をしている意識などなかった俳優・福本清三さんは、その言葉で斬られ役の誇るべき面に気づいたという。

 

斬られて倒れると薄目をあけて、他の俳優の斬られ方を学んだ。洋画からは笑いを誘うチャプリンの倒れ方などもヒントにした。無念の思いを残すように倒れる独特の斬られ方を編み出している。

 

2021年1月6日の東京新聞「筆洗」から引用させて頂いているが、ベテランの記者が書かれている短い文章で、福本清三さんの生涯が見事に描かれている。

 

死に方、斬られ方という脚光を浴びない脇役の場所に、独自の美学を築き上げた福本さんが77歳で亡くなった。

 

大部屋時代は一日十本の出演も珍しくない。名前もセリフもない役ばかり。そこから磨いたのは他人を輝かせる演技だった。「斬られずにいかず、斬りにいく。そうしないと斬る側が目立たない」

 

50歳になるころから注目されるようになった。テレビ番組で知ったという中学生からは「感想文」が来た。「どうせ補欠やと腐ってたけど、福本さんを見て、努力すれば絶対にレギュラーになれると思いました」「底辺でも一生懸命やることがいかに大事かわかりました」

 

スターよりも多くの人を励ました役者かもしれない。

 

ぼくは長いことセリフがなかったころから「暴れん坊将軍」を見続けているので、福本さんは、ぼくに生きる勇気を与えてもらった。

 

福本さんは、この世にいなくても、「暴れん坊将軍」の映像の中で生き続けている。

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