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2021年2月 6日 (土)

竜さん、思い上がりもいいところ!

1976年の『薔薇族』5月号No.40に、「藤田竜・さよなら大放言・大毒舌「アホは地獄に落ちて、うんと苦しめ!!」と題して、3ヶ月ほど編集部から去ったことがあった。

 

『薔薇族』を愛して購読してくれている読者に対してなんということをと思うが、彼は思うことがあってのことだから……。

 

「男好きを隠して結婚したのがバレて、中ピ連につつかれ500万円取られた男がいる。そうかと思えば同棲してる男が浮気したと泣いて電話してくる30男がいる。――こういうアホにつきあうのは、もうごめんだよ。



 まったく俺はこの5年間、何を残せたのか。何のために『薔薇族』に力を注いだのか。


 
 こういうアホがいる一方で、「藤田さんは肉の情熱ではない、真の愛の可能性を信じていないのではないかと、急に不安になった」りする青二才がいる。


 
 もう、ね、俺は、そういう愚者のために、俺の大切な頭脳を酷使するのをやめたよ。



 俺が今までの生き方でつかんだ、いろいろの、薔薇色のゲイな、素晴らしい、男好きの男としてのコツや、テクニックやらは、要するにアホどもにとって何ひとつ役に立たなかったようで、そうしたアホは、どうぞ地獄に落ちてちょうだい。


 
 さんざ苦しみなさい。あんたらが不幸になる一方で、俺はもうなにも、いい男の集まる場所も、ノンケのつかまえ方も、生きることへの考え方も、たのしい人生の秘密は、なにひとつ教えないで、自分だけでたっぷり楽しみ、何十人分もの幸福をひとりで味わうことにする。


 
 アホへのおつきあいは、もう結構ざんす。

 

先月号でもうやめた、なんて言っといて、また書いているのはカッコ悪いけど、あの時はどたん場で決めたから、ごあいさつらしきことも出来なかったし、こだま欄である程度の答は偶然でたようだけど、俺の言ったことが尾をひいているようで落ちつきが悪いよ。

 

男はともかく、仕事に飽きっぽい俺にしては本誌には長く付き合った。ただ本誌が四角い背中の立派なものになって、厚みを増してきたころから、実は俺のカラーはうすくなっている。

 

初期の薄い号のころのは今みても、工夫や美学や熱気がある。原稿も絵も写真もあまりなくて、それでも少ない材料でひとつの世界を作り上げている。

 

あの頃は伊藤さんはまだ男のことも雑誌のこともよくわからなくて、いわば俺の手作りだった。そんなふうな苦労をするのが好きで今日のように作家も画家も粒がそろい、特別大努力をしなくても、まあ大かたの読者に受け入れられるものが作れる状況になるにしたがって俺は熱意を失っていった。

 

広くなってしまった読者に応えてゆくうちに、俺の本意でないものもいつか入ってしまったし、俺が考えていた「男」の雑誌とは少し違ってきた。これが本音でね。先々号あたりに書いたことはきれいごと。

 

今まで他の仕事でも一応メドがついて軌道に乗ると、俺はやる気をなくしたものだったけど、本誌の場合は要するにそれが長引いたわけよ。

 

伊藤さんも今や識見を持ち、力をたくわえ、親衛隊もついて、そこに若い編集員も加わったのだから、俺がいなくても充分にいい仕事ができるだろう。 (後略)」

 

こんな悪たれをついたのに、3ヶ月もしたらまた戻ってきてしまった。それから世の中かわってルネさんと竜さんが考え出したグッズが売れなくなってしまい、ぼくが払う給料でふたりが生活するようになってしまった。

 

いろんな読者がいるのは当然のことだ。ぼくはどんな読者でも同じように接してきたので、今でも読者に支えられている。

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