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2021年5月 1日 (土)

さようなら「伊藤文学のひとりごと」

『薔薇族』の最終号は、382号、いつも目の前の本棚に置いてあるのに、それが見つからない。

 

それから16、17年になるのだろうか。朝日新聞の小泉信一記者が「『薔薇族』廃刊」と夕刊で報じてくれて、その日の夜はマスコミが押しかけてきて大変な騒ぎになったことが、昨日のように思い出される。

 

雑誌がなくなってしまったのだから、ぼくの文章を発表する場がなくなって途方に暮れていたら、次男の嫁の智恵さんが、「お父さん、原稿用紙に書いてくれたら、ネットで読めるようにするから」と言ってくれたので、それから書き出しのが、原稿用紙4枚でひとつの話にまとめた「伊藤文学のひとりごと」だ。

 

土曜日と月曜日の2回、更新するようにしてきた。そのうち智恵さんが勤めに出るようになってしまったので、続けられなくなってしまった。

 

読者の何人かがあとをついでくれたが続かず、偶然出会ったのがS君だ。ぼくの長男が住んでいるのは、マンションの3階、その真上の4階に、S君は両親と弟さんの4人で住んでいた。

 

そのうち彼は家を出て新宿のマンションへ。そのS君がずっと面倒な仕事をひきうけてくれて、ぼくのブログを更新してくれている。なんと感謝していいことか。

 

原稿がたまると、どかっと原稿を戻してくれる。それが大きなダンボール箱にいっぱいになってしまったのだから驚きだ。よくも書き続けたものだ。

 

ぼくのブログを読んでくれている女性が紙焼きにして送ってくれた。それをまとめたのが、2010年11月20日に彩流社から発行された『やらないか!『薔薇族』編集長による極私的ゲイ文化史論』。

編集担当の河野和憲君が本にしてくれた。現在、河野君は彩流社の社長として活躍している。

 

序文は早稲田大学教授の丹尾安憲先生が書いてくれた。「本書を読み、伊藤の祖父・伊藤冨士雄が娼妓解放に力を尽くした人であることを知り、この下北沢のオッチャンの肉体に受け継がれてきた血の質にはじめて触れた気がした」と。

 

この本はまだ在庫があると思うので、自分でほめるのはおかしいが、今読んでみても読みごたえのある本なので、ぜひ、読んで欲しいものだ。

 

S君が、ここ10年ぐらい書き続けてきた「伊藤文学のひとりごと」を日本に一冊しかない文庫本にして残してくれている。ありがたいことだ。

 

現在、ぼくは89歳、もうまわりを見回してもこの世にいる人はいない。

 

来年は卒寿、90歳だ。88歳の米寿の祝いの会を新潟の魚沼に住む人が、ぼくが若い頃によくしてあげたことを覚えてくれていて、多額のお金を寄付してくれたので、三軒茶屋の「銀座アスター」で50人もの人を集めて、盛大なお祝いの会を開くことができた。

 

来年の卒寿の祝いの会をやりなさいと手紙をくれたので、なんとか元気でいて、またにぎやかな祝いの会をやりたいと思っている。

 

「伊藤文学のひとりごと」も、これで終わりにしたい。言いたいことは言い尽くしてしまったし。

 

長いことぼくを支えてくれてありがとう。

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コメント

何度か、文ちゃんと語る会や他の場所でのイベントに参加した者です。
いつもブログを拝読して、会の開催日をチェックしていますが、なかなか伺えないままでした。
ブログを終わりにしたい、と書かれていたので、思わず書き込みました。
文學先生の沢山の思い出話やご意見に、勇気づけられた人は多いと思います。
どうかずっと続けていただきたい、と言うのがブログ読者の気持ちだと思います。
ご体調の事もおありでしょうから、ご無理のないように続けていただければ…とも思います。
ありがとうございました!

投稿: charu | 2021年5月21日 (金) 09時52分

第二書房様、伊藤文学様へ
こんにちは、
第二書房様、伊藤文学様。
はじめて、ポンと申します。
いつもブログ拝見しております。
第二書房様、伊藤文学様に、ブログの感想と要望がございます。
長文ですが、どうかお付き合いください。
・要望
・薔薇族創刊時からのグラビア
・第二書房様から出された、写真集。
・矢頭保さん(男道)(OTOKO)
・波賀九郎さん
(BONシリーズ)
・木村光男さん
・木村健二さん
・栗浜陽三さん(褌游)
・山口一彦さん
(海の男たちシリーズ)
薔薇族』の別冊として1975年に発行された『グラフ 男たち』。別冊・薔薇族は写真集的な体裁も多く、1号ではゲイの写真家の草分けともいえる波賀九郎を特集し、4号では木村健二を起用した『スイート・サマー』などが発行されています。本書は4部構成となっており、1部は林精一が撮影をした「男たちの海」、2部は月岡弦が描いた「華やかな青春」、3部は森精一が撮影した「太陽の若者達」、4部は大川辰次
・脱いだ男たち(写真集)
タイトル STRIPPED GUYS 脱いだ男たち
著者/作家 編:仁科勝
出版社 第二書房
発行年 1972年
の作品をCD-Romかダウンロード後(コピーガード付)を販売して頂きたいです。
日本にはこんなに素晴らしい作品があったこと知りませんでした。
ネットで知りました。
今、波賀さんたちの作品、写真集を手に入れようと思っても入手困難で高額で取引されております。

もし、THE ケンや月刊 THE アドンの編集部の方たちとお付き合いがあるようでしたら、皆さんで、実現して頂きたいです。
写真集の再発行、再出版は金銭的に、紙の雑誌を出版するのは、とても大変のようですね。
今はインターネットの時代ですので、デジタル配信、ダウンロード販売をしていただいて、伊藤さんたちや写真家のみなさんの作品をこれからの日本のために残して、伝えてほしいです。
波賀さんが亡くなられてしまって、日本の男性を男らしく、カッコ良く撮影できる写真家さんは少ないと思います。
今、インターネットを見ていると中国やアジアの写真家に負けているかもしれません。
今の時代日本の男性の男らしさ、魅力を許さない空気になってきています。
伊藤さんたちにお願いしたいのは、過去に写真家のみなさんが残された作品を、絶やさないで守ってほしいです。
クラウドファンディング、Yahoo!ネット寄付、RSTVなども利用していただいて、守って下さい。
私のように父親や男の兄弟がいない子に昔の昭和の日本の男性がどれだけカッコよかったかを知ってほしい。
日本男性を憧れの存在にしてほしい。

私は、ゲイではないのですが、10代の頃、よく薔薇族を購入し拝見しておりました。
私には父親や男の兄弟はおりませんので、10代の頃の自分は男らしい服の選び方もネクタイの結びかたも知りませんでした。
ネクタイを結べるようになったのは18歳です。
職場の研修で男性社員から教えてもらいました。
私から見た薔薇族は、年上の理想のお兄さんやお父さんを見ることができたところです。
あとアート系、男性の肉体美を見るのが好きですので、グラビアを見るのが楽しみでした。
薔薇族を購入しなくなった理由は、
1グラビアのモデルさんたちが自分と同年代に近づいた、越えたからです。
2親や他人に見られたら。

どうかご検討をお願いいたします。

投稿: ポン | 2021年5月 4日 (火) 03時06分

毎回楽しみにしております。
そんなことを言わずに、これからも是非続けてください。
お願いします。

投稿: ネズミ年 | 2021年5月 2日 (日) 21時08分

文學先生お疲れ様ですと言いたいところでうが、生きてる限り続けてほしいです。日本のゲイの立役者。今のLGBTの先駆けですよ。

投稿: keiko.f | 2021年5月 1日 (土) 19時41分

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