2011年8月 4日 (木)

ヨタ中時代がなつかしい!

 ぼくは別冊宝島の『昭和・平成・日本「アウトロー」列伝』(宝島社刊・定価¥1050)の30人の中に入れてもらえたことに誇りをもっている。
 「アウトロー」とは、法の保護や秩序の外にあるものだそうだ。確かに単行本の発禁処分が2冊、『薔薇族』が4回、始末書を書かされたことが20数回にも及んだのだから、そう言われても仕方があるまい。
 この30人の中でお会いしたのは、刑務所服役中の体験を書いた『塀の中の懲りない面々』の作者の安部譲二さんしかいない。
 ぼくの世田谷学園の後輩で、「週刊文春」の編集長も勤め、『薔薇族』の100号を出したとき、「“ホモ界の朝日新聞”「薔薇族」百号記念までの悪戦苦闘」のタイトルをつけて記事を書き、朝日新聞を怒らせた、村田耕二君が、奥さんに先立たれ、再婚されたときのパーティで出会ったのが、安部譲二さんだ。「文藝春秋社」の重役にまで出世して、引退された村田君だから、多くの有名作家も出席されていた。
 安部さんに声かけたら、名刺を出すまでもなく、ぼくのことを知っていて、気楽に写真を撮らせてくれた。
 村田君、千葉のリゾート地に移られて、最近あまり元気がないようで、年賀状も返事を出せないから送らないでくれと言ってきている。

Yuta_2  ぼくの出身校、世田谷学園もすっかり様変わりしてしまった。以前は京王プラザホテルで、出版記念会を催すと、花輪をいくつも贈ってくれたが、今は校長も変わり、進学校として有名になり、一流大学の入学者が多いことを誇る学園に変ってしまった。
 今や「ヨタ中」なんて言ったら、それこそ殴られてしまう。
 一流大学に入れたいと、親はみんな思うから、受験生は増えるばかりで、同窓会なんて必要でなくなっている。
 ましてやアウトローなんて言われる卒業生がいることすら、不愉快なことに違いない。ぼくみたいに頭が悪く、コネで入学し、大学もコネで入ったような人間が、卒業生と略歴に書くことも気になってきた。
 愛校心は人一倍強く、校舎を新築するときも寄付したし、同期会もひとりでお節介役を30年来続けている。
 しかし、世の中、まったく変ってしまった。一流大学を出て、一流企業に入らなければ、結婚をし、子供も育てられない。
 ぼくと同期の世田谷学園の同窓会の会長も昨年辞められて、新しいお坊さんが会長になられた。
 今年も総会があったが、集まったのは30人ほどだ。同窓会を盛りあげようと思う気持ちは今度の会長にはなさそうだ。副会長も世田谷区の区議会議員を5期ぐらい勤め、議長までやった人で、今回の選挙でもトップ当選している自民党議員だが、この人も迫力がない。区議会議員で終わろうとしている人だ。
 今度の世田谷区の区長も、なるべくみんなの意見を聞いてから、何かをやろうと思っているような人だ。

 なんで自分で思ったことを実行しないのだ。こんな区長じゃ情けない。世の中、奇人、変人がいなくなってしまい、つまらない人間ばかりになってしまった。
 共産党の徳田球一のような迫力のある、説得力のある政治家は出てこない。「元気を出せ」と掛け声ばかりじゃどうにもならない。もっと、大衆を引っ張って引く元気のある人って出てこないものだろうか。
 ヨタ中時代の方が、個性的な学生が多くいて楽しかった。だから愛校心も湧いてくるというものだ。


『薔薇族』ご注文の方法は、80円切手7枚を封筒に入れてお送り下さい。
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2011年7月14日 (木)

進学校は自動車教習所と同じ?

 東京オリンピックが開催された年、1964年(昭和39年)7月1日に、上北沢自動車教習所に通って、中型と大型自動二輪の免許証を取得することができた。
 その前にスクーターの免許は持っていたが、自動車を運転できなければ、『薔薇族』を出し続けられなかった。営業などいない小さな印刷会社だったから、校正なども車で届け、ポルノ・ショップや、一部の書店に雑誌を満載して配本して歩いたものだ。
 それから47年間、たいした事故も起こさず過ごせたことは、上北沢自動車学校には感謝している。当時は旧軍隊の鬼軍曹のようなこわい教官ばかりだったが。
 教習所は運転の技術を教える学校だから、卒業してしまえば、二度と学校に行く人はいない。もちろん同窓会などあるわけがない。

 ぼくが入学した世田谷学園。太平洋戦争の末期に入学し、終戦のときは中学1年生だった。終戦前は2年生から、お説教と称して、授業後にみんな1年生は残されて、板の間に正座、お互いに殴り合いなどの野蛮な行為をさせられたものだ。
 食糧がまったくなかった時代、おふくろは弁当を持たせるのにどれだけ苦労したことか。弁当を持って来れない人もいた。
 その頃の世田谷学園は「ヨタ中」と呼ばれて、あまりいい学校ではなかった。それが先生方や校長の努力の甲斐あって、今や進学校として、一流大学に入学する学生も多くなり、世間の評判もすこぶるいい。
 中・高一貫教育で、東大志願者のためのクラスもあり、来年は2ケタの東大合格者を出すと、校長も強気だ。
 こうなってくると、親はなんとしても世田谷学園に入れさせようとする。男子校というのも今の時代少なくなっているが、これが逆に親にとっては安心なのだろう。だから受験生は増えるばかりで、かつてのように同窓生の息子や、孫に頼る時代は終っている。
 今や、まさに進学校と称する一流大学に入学者が多い学校は、自動車学校と同じではないか。一流大学に入れるための技術を教えるための学校になってしまっている。予備校化しているといっていいだろう。
 一流大学に入って、一流企業に就職させたい、そう思うから、親は子供に対して夢中だ。

 ぼくは頭が悪くて、コネで入れてもらい、コネで卒業させてもらった。だからその恩義を忘れたことはないから、同期会もぼくひとりで20数年も毎年開いている。みんな80歳になってしまい、年々出席者が減っていくのはやむを得ない。

 ぼくの長男は神奈川県の桐蔭学園という進学校を卒業し、ストレートで京大の理工学部に入り、一流企業に勤務しているが、同窓会には一度も行っていないようだ。
 女房と父兄会に行ったことがあったが、校長は、今年は東大に何人入ったとか、そんな話ばかり、教室で担任の教師から大きな封筒に入った説明書を渡されたが、その封筒に印刷された文字のデザインが野暮ったい。一流をめざすのなら封筒のデザインもセンスのいいものにしてほしいと、担任にいちゃもんを付けたこともあった。
 世田谷学園卒業生の総会の出席者が2・30人とは情けない。事業計画と収支決算の報告で終わり。これでは寂しいので、終ってからおしゃべりをする場を作ってほしいとお願いしたら、これはすぐに実行してくれた。
 もう、ぼくは来年の同窓会総会には出席しないし、役員も辞めようと思う。卒業生の中に『日本アウトロー列伝』(宝島社刊)に載るような人間がいるということは迷惑だと思うからだ。

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2011年6月25日 (土)

もう80歳、車の運転をやめました!

 1964年(昭和39年、東京オリンピックが開催された年、「平凡パンチ」が創刊された年でもある)の7月1日に上北沢教習所でお世話になって自動車の免許が交付された。

 なんとか長男の文人が誕生して関東中央病院を退院する日に間に合ったが、ぶつけたりしたら大変とタクシーで帰ってきてしまった思い出がある。

 それから47年の今まで、交通違反は何度もあったけれど、事故というほどの事故を起こしたことがなく今日に至っている。

 6月6日は女房の兄の越後堂製本の社長が亡くなった命日で、そろそろ3回忌を迎える。我が社発行の単行本、『薔薇族』は最終刊の382号まで製本を引き受けてくれていた。

 借金もかなりあったのに帳消しにしてくれた恩もあって、6日の命日には毎月小石川にあるお墓に未亡人を迎えにいって欠かさず墓参りに行っている。

 墓参りをすますと神田に出て、共立講堂の前にある戦前の建物、学士会館の中にあるレストランで食事をして姉さんとおしゃべりをして帰るのを楽しみにしている。

 6日の日、小学4年生の孫が学校から帰ってくる時間がいつもより早いというので、近所のイタリアンレストランで食事をすることにした。

 共同印刷や小石川の植物園に行く広い道で、桜の名所でもある通りに面してレストランがある。

 ちょうど空いているところがあったので、バックして停めようとしたが、前に運転手が昼休みをしている軽自動車が停まっていて、ちょっと入れにくいなと思ったが、バックしたら前の車にかすってしまった。

 運転手に声をかけて少し前に出てもらえば良かったのだが、かすってしまったのであわててしまい、切り替えたのは良かったのだが、無意識にアクセルを強く踏んでしまい、後ろに停まっていたBMWにど〜んとぶつかってしまった。

 後ろの車には人が乗っていなかったのが幸いで、僕の車にも、女房も姉さんも先に降りていたので良かった。

 レストランの人が警察官を呼んでくれた。富坂警察署の交通課の若い人で、事情を良く聞いてくれた。人身事故ではないのでパトカーなども来ず、もうひとり年配の警察官も来てくれた。

 間もなく後ろの車の持ち主が戻ってきたが、30歳前後の若い夫婦で、ご主人はおとなしそうな人で奥さんが携帯電話で保険会社と連絡を取っていた。奥さんの方が強そうな人だ。僕の車にも保険がかけてあるので帰ってきてすぐに連絡を取った。

 あとは保険会社同士が話し合って事故処理をしてくれるそうだ。

 20年ほど前だろうか。その頃、血圧が高かったのか、第3京浜国道を走っているときにめまいがして怖い思いをしたことがあった。それ以来、高速道路を走ると手に汗をかくほど恐怖感がよみがえり、それを直すのには時間がかかった。

 人間の神経って不思議なもので、事故を起こしてから小石川から下北沢まで帰ってきたのに、15日から新潟に行くのでガソリンを入れにいこうと思ったら、自然にブレーキを踏んでしまってうまく走れない。

 そこで車の故障かと思ってJAFを呼び、よく調べてくれたが、故障ではないという。一緒に乗ってもらって走ったら何ごともなく走れた。

 16日の東京新聞朝刊に「歩道4人はねられ死傷 81歳誤りアクセル」の記事。高齢者事故は10年で急増しており、75歳以上は2・2倍だそうだ。

 高齢者講習も教習所で受けて、僕の免許証は「平成25年4月19日まで有効」とある。『薔薇族』編集長の肩書きに誇りを持ってやってきたが、これも竜君にゆずったし、この辺で車に乗ることもやめて、どこへ行くのも歩いて行こうと思う。

 今年も何としても本を出したいし、それに集中しようと考えた。バスも子供料金で乗れることだし、心も子供に帰るべきと...。

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2011年6月22日 (水)

「ロマンの泉美術館」をなんとか残したい!

 人声があふれ、多くの女性達がおめかしをして来館してくれた。売店には、僕が毎月1回は問屋街の横山馬喰町で日本一大きい問屋の「エトワール海渡」から仕入れてきた数々のかわいらしい商品がはなやかに並べられていた。

 レストランも「バイロス館」と称して、シェフが工夫して作った西洋料理が人気で、1時間待ちは常識だった。

 年に何回かは、新潟の人が絶対に見ることができないような浅草の芸人を招いたり、歌手も、売れなかった時代の秋元順子さん、クミコさんを招いた。それが紅白に出場するまで登りつめたのだから、僕としてはこんなに嬉しいことはなかった。

 まさか僕が編集長の『薔薇族』が売れなくなるとは夢にも思わなかった。本の売れ行きだけで一切の費用が出て、広告料はすべてが利益になってしまうのだから、どうしても黒字減らしをしなければならない。莫大な税金ばかりを払っていたからだ。

 昭和56年4月16日発行の「週刊文春」が見つかったので開いてみたら、世界のクロサワの映画「影武者」がアカデミー賞をもらうものと思っていたのが落選してしまったなんていう記事が載っている。

 野球界でもスーパーヒーローのONが欠けて、次の時代は石毛と原だと書かれている。

 『薔薇族』が創刊されて100号の記念号を出した時のことだ。なんと4ページを使って記事が載っている。その見出しを見てびっくり。「ホモ界の朝日新聞『薔薇族』百号記念までの悪戦苦闘」とあるではないか。

 「朝日新聞社側では迷惑かもしれないけれど、とにかくその権威といい、信頼性といい、まさに●界の『朝日新聞』といった存在であるらしい。ホモ雑誌界の雄『薔薇族』が、このほど十周年を迎え、百号記念の特大号を発刊、盛大なパーティまで開かれた。が、ここに至るまでには四回の発禁など悪戦苦闘の連続」と見出しを付けたのだから、朝日新聞は『薔薇族』と一緒にされるとは何事だと怒り心頭、見出しの訂正を求めたが、本文は印刷した後なので、新聞広告などは訂正したようだ。

 広告を取るための営業社員をひとりも雇わなくても、スポンサーの方から載せてほしいと頼んでくるところが、当時の朝日新聞と同じだったので、こうした見出しを付けたのだろう。

 それが時代が変わってしまい、ネットや携帯電話がこんなに早く進歩し普及するとは誰も思わなかったに違いない。

 本業の『薔薇族』が廃刊し、朝日だって部数が落ちて今や苦しいに違いない。

 美術館は3年間、新潟の会社が引き受けて、営業を続けてくれたことは感謝している。先日も若いS君に運転してもらって、弥彦に片付けに行ってきたが、人間が出入りしていない建物というのは廃墟というしかない。

 壊すにもお金がかかる。直すにもお金がかかる。何かに使ってくれるお金持ちはいないものだろうか。このまま朽ち果てさせるのはもったいなさすぎる。

 今でも「ロマンの泉美術館」を忘れられず、外からだけでも見てきたという女性が弥彦のレストラン「マジック・ディッシュ・森」に食事に来られたという。新潟の人に忘れられない思い出だけでも残せたということは幸せだ。

 僕の心の中にも、大きな夢の世界が今でも残っている。それだけに廃墟にしたくない思いは強いのだが...

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2011年6月20日 (月)

扉を開けたら〜ロマンの泉美術館物語3

 よみがえれバイロス!

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バイロス侯爵の自画像入りのエクスリブリス

 これはひとつの快感

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古いピアノはどんな音色が

 東京と新潟の違い

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 新潟の子供たち

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かりんの木と美術館

 女がひとりで

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あざみの花の向うに

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扉を開けたら〜ロマンの泉美術館物語2

 館長の椅子

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屋根上の風見鶏は土屋豊さんの製作

 日本は文化国家?

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フランスのアール・デコの時代の照明器具

 ロシアからの手紙

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誰がかぶっていた帽子だろう
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アール・デコの時代の少女のブロンズ

 薔薇の花が好き

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6月を「薔薇祭」にしたい

 興味のないもの

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(残念ながら下北沢の「イカール館」は閉館してしまっている)

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「バイロス館」の入口

(続く)

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扉を開けたら〜ロマンの泉美術館物語

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新潟のラジオ局の名司会者、大倉修吾さんを招いての会、ルネさんがいるのはなぜか思い出せない。

蔵書票との出会い

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一番好きなエクスリブリス

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山形季央氏デザインのポスター

 小さくても光り輝いて

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 日本は文化国家?

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カードの人気No.1のアリスのエクスリブリス

 馬子にも衣装?

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美術館のシンボルマークのエクスリブリス

(続く)

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2011年6月19日 (日)

15年間の僕の至福の日々。

 平成5年11月3日、文化の日に女房の古里、新潟県西蒲原郡弥彦村に「ロマンの泉美術館」をオープンさせた。しかし、残念なことに3年前に閉館して、今は廃墟になっているから、皆さんに見に来てもらうことはできない。

 この美術館は、多くの有能な『薔薇族』の読者から長い間に身につけた感性と美意識の結晶だと思うと言われたから、ゲイ感覚で創った美術館と言っていいだろう。

 多くのマスコミの皆さんの協力によって全国から入館者が訪れてくれて、僕に幸せな日々をもたらしてくれた。なかでも新潟の有力紙「新潟日報」が「晴雨計」というエッセイ欄に週に1回半年ほど連載させてくれた。

 このエッセイをまとめて「扉を開けたら ロマンの泉美術館物語」という本にした。1994年8月1日のことだ。パーティ好きな僕は、京王プラザホテルの大宴会場で300人もの友人、知人を集めての会で新潟から村長をはじめ、僕のファンが駆け付けてくれた。

 とりわけ無名だった秋元順子さん、クミコさんも何度もお招きしたが、苦労の甲斐があって、紅白にお2人とも出場するというまでに成長されたことは僕としてはこの上ない喜びであった。

 しばらくぶりにこの本を読み返してみたら、これはブログで残すべきだと思うようになってきた。今は亡き内藤ルネさんが序文にこんなことを書かれている。

 「時は流れてゆく。残念ながら人はいつまでも若くはいられない」と。その言葉は79歳になった僕の胸にじ〜んとひびいてくる。


 大いなる温かさを持つ人と、巡り会った幸福ーー

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 扉を開けたら時計はいらない!

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(写真はすべて伊藤文学撮影)

 たった一度で...

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(続く)

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2011年6月14日 (火)

僕には「老いの才覚」があるのだろうか!?

 竜超君が『薔薇族』を引き継いで続けてくれるとのこと、そのことをブログに書いたら何人もの人がお祝いのメールを送ってくれたとか。僕も肩の荷が下りたような気分になっている。

 最近は下北沢の駅まで歩くと、20分近くもかかってしまうけど、「淡島」の停留所から渋谷行きのバスに乗れば、東急プラザの真ん中まで、我が家を出て30分もあれば着いてしまう。

 バスを降りて車道を渡るところに、手を高くかざして「THE BIG ISSUE」という雑誌を売っているホームレスの人がいる。

 定価は300円で160円が販売した人の手に入り、ホームレスの自立を応援する雑誌だ。わずか30ページの雑誌だが内容は濃い。街で見かけたら買ってあげてほしい。

 東急プラザの5階に紀伊国屋書店が入っている。その玄関先に「CAFE SHALIMAR」、少々お値段は高いがコーヒーはうまい。いつも大きな花瓶に四季のお花がかざってある。このお花を見ているだけでも心が和む。生け花の先生がお花を生けているそうだ。

 竜君と午後2時に会う約束をしていたが、少し早く着き過ぎたので書店をのぞいてみた。

 曾野綾子さんの「老いの才覚」(KKベストセラーズ刊、本体762円)が目にとまった。帯には「50万部突破、年の取り方を知らない老人が急増してきた!」とある。

 曾野綾子さんは、1931年生まれとあるから、僕と同じくらいの年の方だ。読みやすい本なので一気に読んでしまった。

 こんな老人になってしまってはいけないと注意を書いているのだが、僕には全く参考にならない。書かれていることはごもっともなことなのだが、僕は今でも自分を老人とは思っていないからだ。

 気持ちは青春時代となんら変わっていない。しかし、身体だけは年とともに老化していき、忘れっぽくはなる。自動車の免許を取ってクルマに乗り出してから40数年にもなる。

 高速道路を走って350キロほどの女房の古里へどれだけ通ったことか。高速道路が開通する以前は国道17号線を走って、三国峠を越えて新潟の弥彦村まで何時間もかかってたどり着いた。

 スピード違反とか駐車違反は何度もしたことがあるが、大きな事故を起こしたことはなかった。

 時たまアクセルとブレーキを踏み間違えて、お店に飛び込んでしまったり、ビルの上にある駐車場から落ちてしまったという記事を目にすることがある。

 75歳を過ぎて免許を更新する時には、教習所で講習を受けなければならない。確かに記憶力は落ちているが、反射神経は若い時とさほど変わらない。

 平成22年4月19日に更新された免許証には平成25年4月19日まで有効とあり、「優良」の文字が鮮やかに入っている。

 保険だって事故を起こしたことがないから、年々保険料が安くなっている。それが一瞬にしてアクセルを強く踏んでバックしたために、後ろの外車にドカーンとぶつけてしまった。

 昨日、秋元クリニックに前立腺がんの検査をお願いしてあったので、診察に行ったが問題なしということだった。

 事故でむち打ち症も心配だったので、これも聞いたら手先がしびれたり頭痛がしたりしなければ心配なしということだ。

 さて、我が万年青年、これからどう生きるかだ。僕のブログを見てくれている人がいる限り、いい生き方をしていくつもりだ。

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2011年6月13日 (月)

大スクープのつらい思い出!

 全てのマスコミが成し遂げることができなかったことを『薔薇族』はスクープすることができた。

 テレビや週刊誌は、連日のようにアメリカでのエイズ患者の見るに耐えないような映像を大げさに流して、見るものに恐怖感をあおっていた。

 日本にもエイズは必ず感染者が出るに違いない。それにアメリカではエイズは同性愛者の病気だとされていた。

 『薔薇族』としては、編集部といっても僕と藤田竜君しかいないのだから、二人で相談してホテルや旅館のご主人を渋谷の「千雅」に集ってもらい、まずは外人さんを入館させないということをみんなで決めたが、今になって考えれば意味のない決定だった。

 一度流行してしまった性病というものは、永久になくならないものだと聞いたことがある。梅毒とか淋病とかも、今もってなくならない。

 『薔薇族』としては、銀座の歌舞伎座の手前にあってわかりやすい泌尿器科の診療所を「編集室」の最後のところに入れて紹介していたが、場所を教えてくれという電話は1日に何本もかかってきた。

 この先生は僕よりも何歳か年上なので、もう引退されているだろう。盆、暮れには一番早く贈り物を送ってくれていたので、この時期になるとふと思い出すことがある。

 帝京大学の付属病院の松田重三先生がいろいろと協力してくれて、何かとエイズに関しての相談にのってくれて、読者が気にしないで検査を受けることができるようにしてくれた。

 1985年、今から26年も前のことだが、どうもエイズに感染したのではないかという読者から電話がかかってきたので、その人と会い、悩みごとなどを聞いて記事にしたことがあったが、その人は思い込んでいただけで検査の結果は陰性だった。

 その記事を読んだひとりの男性から電話がかかってきた。その記事の人と会ってみたい、あまりにも不安にかられているので、その人とできたら一緒に住みたいとも言っていた。

 藤田竜君と僕と2人で、その人の住んでいるマンションを訪ねた。そのマンションは靖国通りにあって、以前はホテル本陣でお城のような建物だった。

 昭和30年代後半に妹が心臓手術のために入院していた東京女子医大の病棟から、ホテル本陣が見えた。妹と同室の5歳の坊や、芳っちゃんを連れてよく窓から眺めたものだ。

 その跡地に建った大きなマンションで何階か忘れてしまったが、藤田竜君と訪ねたら男の部屋とも思えないほどキレイに整頓されていたのでびっくり。

 壁面にはクラシックのレコードが棚にびっしりと並べられていた。クラシックの音楽が好きで、ウィーンには行ったことがあるが、演奏会に行っただけで男と遊んだことはなく、どこで感染したのかわからないという。

 カルピスかなんかを出してくれたが、気にしていたようだが、僕は平気で飲んだ。

 いろんな質問に答えてくれたのをテープに録って、それを記事にした。それを雑誌に載せる前に、厚生省は5人を患者と認定したが、既に亡くなったり、入院中の人もいて、自由な人は彼だけだった。

 もっとたくさん患者がいると彼は思っていたのに、あまりにも少なかったので、彼はびくついてしまい、ゲラを見せてくれと言い出した。

 ずいぶん削られてしまったが、大スクープであったことは間違いない。仏壇に線香がたかれていたが、あの時の煙を忘れることはできない。

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