2014年10月20日 (月)

2丁目の男たちの愛の葛藤が、ミステリアスに描かれる異色作! 『東京〜ここは硝子の街〜』 松下芳雄

 世界最大のゲイタウンと称される新宿2丁目。そこに集う男たちもさまざまだ。自らの嗜好に叶う相手を求めてさまよう者もいれば生活の糧とする者もいる。この映画は夢と愛を求めてこの街に生きる美しい男たちの宿命的な出会いと歓び、そして葛藤を飾らず、誇張せず、ありのままに捉えた異色作だ。
 
 中心となるのは若いバーの経営者でモデル、そして「東京ボーイズ・コレクション」を企画、主催するトオルと偶然、彼に助けられた韓国人ヨン。日本で芸能界デビューを志すヨンだったが追い詰められて無銭飲食をするほどに。その現場で知りあったのがトオルだ。
 
 生活費を稼ぐためヨンは売り専バーで働き出し再会したトオルと愛しあい同棲。しかしヨンが芸能プロ社長の甘言に乗せられ肉体関係を結んだことを知ったトオルは不信感をいだき、同棲していた家から追い出す。けれども失うものの大きさを悟ったトオルはヨンを許し、二人はより深く愛し合うようになるのだが……。
 
 男と男のデリケートな感情の起伏が三島由紀夫の名作「仮面の告白」のモチーフを借りて描かれる。傷害から殺人に至る悲劇。闇世界の存在や刑事の執念、謎めいた熟女たちの行動と、ミステリックな物語が20年前に起きた殺人事件と行き来しながら展開する。
 
 カナダのモントリオール世界映画祭「フォーカス・オン・ワールド・シネマ部門」にも正式招待され、寺西一浩監督、主演のJK、中島知子らが公式上映に臨んだという注目作。ヨンに扮するのは韓国KMTVの人気番組「ミュージックタンク」でMCとしてデビュー、現在は俳優・モデルなど多彩な活動をしているJK。トオルには2010年のベストジーニスト賞1位、モデルであり、自己写真集「激アツ」の出版など、ミュージカルの舞台や俳優としても人気の木村敦が複雑な心理表現を要求される難役に挑戦してみせる。
 
 2丁目が舞台の作品は意外と少ないし、お仲間には必見。もちろん一般向けの本格ドラマとしても見応え十分。ぶっつけ本番、手持ちカメラによるロケなど場所が場所だけに貴重かも。ゲイの世界に食い入った構成。大胆な交歓シーンも随所に。
 
*監督・原作・脚本:寺西一浩 脚本:入江おろぱ 主演:JK 木村敦 中島知子 内山磨我 田島令子ほか
2014年/日本映画/カラー/ビスタサイズ/105分
11月8(土)からヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国で順次ロードショー公開
配給:ムービー・マジック 株式会社HumanPictures
配給会社:アルファビル
 
★試写会に誘われたのですが、観に行けず『薔薇族』誌上に映画評を書き続けてくれた、松下さんに映画評を書いてもらいました。
 
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2014年4月12日 (土)

愛し、慈しむことに差別が許されるのか? ―映画『チョコレートドーナツ』が訴えるもの― 松下芳雄

 華やかなスポットライトを浴びて歌いまくるドラーグ・クイーン、ルディ。その魅力の虜になったのは若い弁護士ポール。二人は一瞬で惹かれ合い恋に落ちる。ニューヨーク。ブルックリン、七十年代の夜。仕事柄カミングアウトできないポールだが率直であけすけなルディの元にしばしば通うようになる。
 
 ある日、ルディは人形を抱いて街をさまようダウン症の少年マルコを発見、ポールに助言を求めたが「家庭局に相談して施設に預けろ」と言い放たれて落胆、マルコを自宅に連れ帰る。しかし家庭局職員と捜査員が現れて事態は思わぬ方向へ。マルコの母は薬物所持で逮捕されたと言うのだ。そしてマルコは強制的に連れ去られて施設入りに。その翌日、ルディの期待に応えられなかったことを詫びにポールがやって来て互いの過去や思いの深さを打ち明け、より愛しあうようになる。だがポールと別れた後、母に会いたい一心で施設を抜け出し、とぼとぼと人形を抱きしめて歩くマルコを見かけたルディは不憫さにかられて衝動的に自宅に連れ帰ってしまう。
 
 ルディの夢はペット・ミドラーのようなシンガーになること。ポールは法律で世界を変えること。マルコはドーナツ好きで優しい性格。二人を信頼しているが自分を捨てた身勝手な母親も忘れられない。そんなマルコを二人は自分たちで育て守ろうと決意する。初めて学校に通いだすマルコ。本当の両親のように接する二人。だがとんでもない災難が降りかかる。
 
 ポールの上司のパーティでゲイ・カップルであることが知れ渡ったのが試練の始まりだった。再びマルコは家庭局へ。ポールは解雇されてしまうがくじけなかった。
 
「今こそ法律で世界を変えるチャンス」とルディに背中を押されたポールは養育権をめぐる裁判に臨む。しかし二人がマルコを心底愛していることを述べる証言者たちの言葉もゲイに対する偏見を変えられなかった。おまけに服役中のマルコの母親までが証言台に立つに及んで状況は不利になるばかり。傲慢そのものの相手側弁護士。頑迷そのものの女性判事。果たして二人の主張は受け入れられるのか?
 
 日本ではこの種の裁判が行われたことなど無いのではないか? 故にこそ必見の価値有りといいたいのだが、世界中で最もゲイに寛容と思われるアメリカにしてこの現状。ヒューマニズムと正義の国の看板はどこに行ってしまったのかとさえ思いたくなるけれど最後の最後、小さな小さな希望の灯がともる…
 
 七十年代、実際にニューヨーク・ブルックリンであった事件だそうだが、映画の視点は人間社会全体の不条理に向けられているように思える。口先だけの正義派、政治家。生活弱者や高齢者の援護を叫びながら実際には何一つ行動しない識者、評論家。個人同士といえど『隣は何をする人ぞ』が常態化したかの如き個食族…と、こんな社会に誰がしたと言いたくなることばかり。
 
 本作は『障害を持ち、母親に育児放棄された子どもと、家族のように過ごすゲイの話』をさまざまな映像アートで活躍するトラヴィス・ファインが監督、脚本、製作まで手がけた。脚本にはテレビを中心にエミー賞受賞歴もあるジョージ・アーサー・ブルームも加わって温もりに満ちた人間関係と狡猾な社会の暗部をも抉り出して見せる。だが何といっても主役三人の熱演に注目してほしい。
 
 ルディに扮するアラン・カミングは『スマーフ』や『テンペスト』などでおなじみだが市民権運動や性教育でも活動し『中傷と闘うゲイ&レズビアン同盟』のヴィト・ルッソ賞を受賞、オリジナル香水を販売、売上の全てを国際ゲイ&レズビアン人権委員会などに寄付している奉仕家の側面を持つ。ポール役のギャレット・ディラハントは「ノー・カントリー」や「ウインターズ・ボーン」など社会派の名作に出演した演技派だが冷静かつ巧まぬ表現力に奥深さを感じる。マルクを演じたアイザック・レイヴァは自身ダウン症ながら読書家であり俳優としての将来を目指しているとかで、異色の名優誕生の可能性は十分。自然で愛らしい笑顔が忘れられない。
 
 くどいようだがゲイや障害者を異常とみなし蔑む社会のあり方は今も正されていない。異教徒への攻撃に狂走しながら心の救いを説く宗教家に矛盾と疑問を持ちたくなるのは私だけだろうか?
 
 何はともあれこの映画を見ることで、ひとときでもみずからの日常を振り返り多少なりとも安らいでいただければと思う。ラストシーンは少し寂しく、少し哀しいがあなたなりの小さな幸せを必ず得られるのではなかろうか。
 
 因みにこの映画はアメリカのみならず世界の映画祭で観客賞など多数の受賞を果たしたことを付け加えておきたい。生きとし生けるものすべてに放たれた愛の力が多くの観客の心に響いた結果だろう。
 
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(C)2012 FAMLEEFILM,LLC
 
4月19日(土) シネスイッチ銀座ほか全国順次ロードショー
2012年 アメリカ映画 97分 配給:ビターズ・エンド

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2011年7月11日 (月)

『愛の処刑』を映画化して、一通だけきた手紙

 ぼくはこの頃、テレビの「時代劇専門チャンネル」にはまりこんでいる。今のテレビの番組がくだらないものばかりなので、年配者の方で、ぼくと同じように昔の時代劇を楽しんでいる方が多いに違いない。
 映画が衰退してきて、そのスタッフの人たちでテレビの世界へ入っていった人も多かったのでは。それだけに見応えのある作品が多い。
 時代は江戸時代のものが多いが、切腹のシーンがよく出てくる。三島由紀夫さんの『憂国』の下敷きになったと言われている『アドニス』の別冊に発表された『愛の処刑』も、切腹がテーマになっている。
 東北に切腹マニアの方がいて、切腹をテーマにした小説も書かれていたが、恐らく三島さんと交流があったに違いない。

 ぼくは三島さんが書かれたと言われていた『愛の処刑』を映画化してしまったのだ。すぐに資料がみつからないので、監督のお名前も忘れているが、カメラは一流のカメラマンだったので、すばらしい映画を作ることができた。
 千葉の地名もすぐに思い出せないが、古い網元の家をお借りして、3日間で作りあげてしまったが、500万投資して、元がとれたのかどうかも忘れてしまったが、今考えてもすごいことをやりとげたものだ。
 ひとりだけ手紙をくれた方がいた。東北の切腹マニアの方だ。40数年にして、初めて伊藤さんひとりに私の心の中をお話ししてしまいました。と、手紙の最後に書かれている。

 「(前略)切腹の何かにかくまで惹かれるのかと申しますと、自分の死を自分で見つめながら、自分の手で、自分の腹を切ってゆくという、よほどの覚悟がなければできない、その精神と行為の潔さに、何ともいえぬ美を感じるのです。
 そして、その人物が若く美しい設定ともなれば、最高のエクスタシーを感じる訳です。
 (中略)
 本当に腹を切れば、そのような絵空事の美しさとは、ぜんぜん違うすさまじいものとは分っていても、やはり絵というか、私の脳裏に描かれる切腹は、心を惹きつけて離さない、恐ろしいほどの世界として私を捉えています。
 子供の頃から切腹に関心があり、以来、その思いは年代によって強弱はあってもずっと消えることなく、現在まで続いております。このことは私の心の中にだけ秘めていることで、誰にも明かしたことはりません。
 世間では、私はごくあたり前の常識的な人間です。ですから、この心の秘密は死ぬまで誰にも明かさずに済ますつもりで今日までおりました。私が買い求めた本とか、描きためた絵などは、ある時期がきたら、ひそかに処分するつもりです。
 しかし、貴志を拝見して、私のような人間も世の中にいるということを、お話するのも何かのご参考になればという思いと、また私自身、何十年もこだわり続けてきた心を、それを理解して下さる方に、一回だけ明かすのも、今日まで生きてきた甲斐なのかと思うようになり、かなりの決心をして、この手紙を書きました。」

 映画が封切りされて一万人近い人たちが見てくれ、映画を見ての感想を寄せてくれた方がふたり、『愛の処刑』に関しての手紙はこの方だけでした。
 ぼくは同性愛は異常ではないということを叫び続けてきましたが、この映画では異常であるがすばらしい。異常であれば異常であるほど、この映画は光り輝いてくるのだ。
 三島由紀夫さん、すごい人だ。一度お会いしたかったけれど、雑誌を出すのが一年おそかった。しかし、きっとよろこんでくれているに違いない。

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2011年6月25日 (土)

もう80歳、車の運転をやめました!

 1964年(昭和39年、東京オリンピックが開催された年、「平凡パンチ」が創刊された年でもある)の7月1日に上北沢教習所でお世話になって自動車の免許が交付された。

 なんとか長男の文人が誕生して関東中央病院を退院する日に間に合ったが、ぶつけたりしたら大変とタクシーで帰ってきてしまった思い出がある。

 それから47年の今まで、交通違反は何度もあったけれど、事故というほどの事故を起こしたことがなく今日に至っている。

 6月6日は女房の兄の越後堂製本の社長が亡くなった命日で、そろそろ3回忌を迎える。我が社発行の単行本、『薔薇族』は最終刊の382号まで製本を引き受けてくれていた。

 借金もかなりあったのに帳消しにしてくれた恩もあって、6日の命日には毎月小石川にあるお墓に未亡人を迎えにいって欠かさず墓参りに行っている。

 墓参りをすますと神田に出て、共立講堂の前にある戦前の建物、学士会館の中にあるレストランで食事をして姉さんとおしゃべりをして帰るのを楽しみにしている。

 6日の日、小学4年生の孫が学校から帰ってくる時間がいつもより早いというので、近所のイタリアンレストランで食事をすることにした。

 共同印刷や小石川の植物園に行く広い道で、桜の名所でもある通りに面してレストランがある。

 ちょうど空いているところがあったので、バックして停めようとしたが、前に運転手が昼休みをしている軽自動車が停まっていて、ちょっと入れにくいなと思ったが、バックしたら前の車にかすってしまった。

 運転手に声をかけて少し前に出てもらえば良かったのだが、かすってしまったのであわててしまい、切り替えたのは良かったのだが、無意識にアクセルを強く踏んでしまい、後ろに停まっていたBMWにど〜んとぶつかってしまった。

 後ろの車には人が乗っていなかったのが幸いで、僕の車にも、女房も姉さんも先に降りていたので良かった。

 レストランの人が警察官を呼んでくれた。富坂警察署の交通課の若い人で、事情を良く聞いてくれた。人身事故ではないのでパトカーなども来ず、もうひとり年配の警察官も来てくれた。

 間もなく後ろの車の持ち主が戻ってきたが、30歳前後の若い夫婦で、ご主人はおとなしそうな人で奥さんが携帯電話で保険会社と連絡を取っていた。奥さんの方が強そうな人だ。僕の車にも保険がかけてあるので帰ってきてすぐに連絡を取った。

 あとは保険会社同士が話し合って事故処理をしてくれるそうだ。

 20年ほど前だろうか。その頃、血圧が高かったのか、第3京浜国道を走っているときにめまいがして怖い思いをしたことがあった。それ以来、高速道路を走ると手に汗をかくほど恐怖感がよみがえり、それを直すのには時間がかかった。

 人間の神経って不思議なもので、事故を起こしてから小石川から下北沢まで帰ってきたのに、15日から新潟に行くのでガソリンを入れにいこうと思ったら、自然にブレーキを踏んでしまってうまく走れない。

 そこで車の故障かと思ってJAFを呼び、よく調べてくれたが、故障ではないという。一緒に乗ってもらって走ったら何ごともなく走れた。

 16日の東京新聞朝刊に「歩道4人はねられ死傷 81歳誤りアクセル」の記事。高齢者事故は10年で急増しており、75歳以上は2・2倍だそうだ。

 高齢者講習も教習所で受けて、僕の免許証は「平成25年4月19日まで有効」とある。『薔薇族』編集長の肩書きに誇りを持ってやってきたが、これも竜君にゆずったし、この辺で車に乗ることもやめて、どこへ行くのも歩いて行こうと思う。

 今年も何としても本を出したいし、それに集中しようと考えた。バスも子供料金で乗れることだし、心も子供に帰るべきと...。

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2011年6月22日 (水)

「ロマンの泉美術館」をなんとか残したい!

 人声があふれ、多くの女性達がおめかしをして来館してくれた。売店には、僕が毎月1回は問屋街の横山馬喰町で日本一大きい問屋の「エトワール海渡」から仕入れてきた数々のかわいらしい商品がはなやかに並べられていた。

 レストランも「バイロス館」と称して、シェフが工夫して作った西洋料理が人気で、1時間待ちは常識だった。

 年に何回かは、新潟の人が絶対に見ることができないような浅草の芸人を招いたり、歌手も、売れなかった時代の秋元順子さん、クミコさんを招いた。それが紅白に出場するまで登りつめたのだから、僕としてはこんなに嬉しいことはなかった。

 まさか僕が編集長の『薔薇族』が売れなくなるとは夢にも思わなかった。本の売れ行きだけで一切の費用が出て、広告料はすべてが利益になってしまうのだから、どうしても黒字減らしをしなければならない。莫大な税金ばかりを払っていたからだ。

 昭和56年4月16日発行の「週刊文春」が見つかったので開いてみたら、世界のクロサワの映画「影武者」がアカデミー賞をもらうものと思っていたのが落選してしまったなんていう記事が載っている。

 野球界でもスーパーヒーローのONが欠けて、次の時代は石毛と原だと書かれている。

 『薔薇族』が創刊されて100号の記念号を出した時のことだ。なんと4ページを使って記事が載っている。その見出しを見てびっくり。「ホモ界の朝日新聞『薔薇族』百号記念までの悪戦苦闘」とあるではないか。

 「朝日新聞社側では迷惑かもしれないけれど、とにかくその権威といい、信頼性といい、まさに●界の『朝日新聞』といった存在であるらしい。ホモ雑誌界の雄『薔薇族』が、このほど十周年を迎え、百号記念の特大号を発刊、盛大なパーティまで開かれた。が、ここに至るまでには四回の発禁など悪戦苦闘の連続」と見出しを付けたのだから、朝日新聞は『薔薇族』と一緒にされるとは何事だと怒り心頭、見出しの訂正を求めたが、本文は印刷した後なので、新聞広告などは訂正したようだ。

 広告を取るための営業社員をひとりも雇わなくても、スポンサーの方から載せてほしいと頼んでくるところが、当時の朝日新聞と同じだったので、こうした見出しを付けたのだろう。

 それが時代が変わってしまい、ネットや携帯電話がこんなに早く進歩し普及するとは誰も思わなかったに違いない。

 本業の『薔薇族』が廃刊し、朝日だって部数が落ちて今や苦しいに違いない。

 美術館は3年間、新潟の会社が引き受けて、営業を続けてくれたことは感謝している。先日も若いS君に運転してもらって、弥彦に片付けに行ってきたが、人間が出入りしていない建物というのは廃墟というしかない。

 壊すにもお金がかかる。直すにもお金がかかる。何かに使ってくれるお金持ちはいないものだろうか。このまま朽ち果てさせるのはもったいなさすぎる。

 今でも「ロマンの泉美術館」を忘れられず、外からだけでも見てきたという女性が弥彦のレストラン「マジック・ディッシュ・森」に食事に来られたという。新潟の人に忘れられない思い出だけでも残せたということは幸せだ。

 僕の心の中にも、大きな夢の世界が今でも残っている。それだけに廃墟にしたくない思いは強いのだが...

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2011年6月20日 (月)

扉を開けたら〜ロマンの泉美術館物語3

 よみがえれバイロス!

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バイロス侯爵の自画像入りのエクスリブリス

 これはひとつの快感

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古いピアノはどんな音色が

 東京と新潟の違い

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 新潟の子供たち

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かりんの木と美術館

 女がひとりで

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あざみの花の向うに

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扉を開けたら〜ロマンの泉美術館物語2

 館長の椅子

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屋根上の風見鶏は土屋豊さんの製作

 日本は文化国家?

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フランスのアール・デコの時代の照明器具

 ロシアからの手紙

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誰がかぶっていた帽子だろう
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アール・デコの時代の少女のブロンズ

 薔薇の花が好き

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6月を「薔薇祭」にしたい

 興味のないもの

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(残念ながら下北沢の「イカール館」は閉館してしまっている)

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「バイロス館」の入口

(続く)

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扉を開けたら〜ロマンの泉美術館物語

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新潟のラジオ局の名司会者、大倉修吾さんを招いての会、ルネさんがいるのはなぜか思い出せない。

蔵書票との出会い

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一番好きなエクスリブリス

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山形季央氏デザインのポスター

 小さくても光り輝いて

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 日本は文化国家?

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カードの人気No.1のアリスのエクスリブリス

 馬子にも衣装?

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美術館のシンボルマークのエクスリブリス

(続く)

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2011年6月19日 (日)

15年間の僕の至福の日々。

 平成5年11月3日、文化の日に女房の古里、新潟県西蒲原郡弥彦村に「ロマンの泉美術館」をオープンさせた。しかし、残念なことに3年前に閉館して、今は廃墟になっているから、皆さんに見に来てもらうことはできない。

 この美術館は、多くの有能な『薔薇族』の読者から長い間に身につけた感性と美意識の結晶だと思うと言われたから、ゲイ感覚で創った美術館と言っていいだろう。

 多くのマスコミの皆さんの協力によって全国から入館者が訪れてくれて、僕に幸せな日々をもたらしてくれた。なかでも新潟の有力紙「新潟日報」が「晴雨計」というエッセイ欄に週に1回半年ほど連載させてくれた。

 このエッセイをまとめて「扉を開けたら ロマンの泉美術館物語」という本にした。1994年8月1日のことだ。パーティ好きな僕は、京王プラザホテルの大宴会場で300人もの友人、知人を集めての会で新潟から村長をはじめ、僕のファンが駆け付けてくれた。

 とりわけ無名だった秋元順子さん、クミコさんも何度もお招きしたが、苦労の甲斐があって、紅白にお2人とも出場するというまでに成長されたことは僕としてはこの上ない喜びであった。

 しばらくぶりにこの本を読み返してみたら、これはブログで残すべきだと思うようになってきた。今は亡き内藤ルネさんが序文にこんなことを書かれている。

 「時は流れてゆく。残念ながら人はいつまでも若くはいられない」と。その言葉は79歳になった僕の胸にじ〜んとひびいてくる。


 大いなる温かさを持つ人と、巡り会った幸福ーー

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 扉を開けたら時計はいらない!

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(写真はすべて伊藤文学撮影)

 たった一度で...

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(続く)

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2011年6月14日 (火)

僕には「老いの才覚」があるのだろうか!?

 竜超君が『薔薇族』を引き継いで続けてくれるとのこと、そのことをブログに書いたら何人もの人がお祝いのメールを送ってくれたとか。僕も肩の荷が下りたような気分になっている。

 最近は下北沢の駅まで歩くと、20分近くもかかってしまうけど、「淡島」の停留所から渋谷行きのバスに乗れば、東急プラザの真ん中まで、我が家を出て30分もあれば着いてしまう。

 バスを降りて車道を渡るところに、手を高くかざして「THE BIG ISSUE」という雑誌を売っているホームレスの人がいる。

 定価は300円で160円が販売した人の手に入り、ホームレスの自立を応援する雑誌だ。わずか30ページの雑誌だが内容は濃い。街で見かけたら買ってあげてほしい。

 東急プラザの5階に紀伊国屋書店が入っている。その玄関先に「CAFE SHALIMAR」、少々お値段は高いがコーヒーはうまい。いつも大きな花瓶に四季のお花がかざってある。このお花を見ているだけでも心が和む。生け花の先生がお花を生けているそうだ。

 竜君と午後2時に会う約束をしていたが、少し早く着き過ぎたので書店をのぞいてみた。

 曾野綾子さんの「老いの才覚」(KKベストセラーズ刊、本体762円)が目にとまった。帯には「50万部突破、年の取り方を知らない老人が急増してきた!」とある。

 曾野綾子さんは、1931年生まれとあるから、僕と同じくらいの年の方だ。読みやすい本なので一気に読んでしまった。

 こんな老人になってしまってはいけないと注意を書いているのだが、僕には全く参考にならない。書かれていることはごもっともなことなのだが、僕は今でも自分を老人とは思っていないからだ。

 気持ちは青春時代となんら変わっていない。しかし、身体だけは年とともに老化していき、忘れっぽくはなる。自動車の免許を取ってクルマに乗り出してから40数年にもなる。

 高速道路を走って350キロほどの女房の古里へどれだけ通ったことか。高速道路が開通する以前は国道17号線を走って、三国峠を越えて新潟の弥彦村まで何時間もかかってたどり着いた。

 スピード違反とか駐車違反は何度もしたことがあるが、大きな事故を起こしたことはなかった。

 時たまアクセルとブレーキを踏み間違えて、お店に飛び込んでしまったり、ビルの上にある駐車場から落ちてしまったという記事を目にすることがある。

 75歳を過ぎて免許を更新する時には、教習所で講習を受けなければならない。確かに記憶力は落ちているが、反射神経は若い時とさほど変わらない。

 平成22年4月19日に更新された免許証には平成25年4月19日まで有効とあり、「優良」の文字が鮮やかに入っている。

 保険だって事故を起こしたことがないから、年々保険料が安くなっている。それが一瞬にしてアクセルを強く踏んでバックしたために、後ろの外車にドカーンとぶつけてしまった。

 昨日、秋元クリニックに前立腺がんの検査をお願いしてあったので、診察に行ったが問題なしということだった。

 事故でむち打ち症も心配だったので、これも聞いたら手先がしびれたり頭痛がしたりしなければ心配なしということだ。

 さて、我が万年青年、これからどう生きるかだ。僕のブログを見てくれている人がいる限り、いい生き方をしていくつもりだ。

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