2009年12月19日 (土)

挫折乗り越え出版した本が朝日に!

 今年の日本シリーズで優勝した巨人軍の阿部捕手がお立ち台の上で「最高で〜す!」と叫んだ、あの気持ちが僕にも当てはまる。

 1970年(昭和45年)の1月11日、33歳の若さで酸欠死してしまった先妻の舞踏家、ミカ(本名・君子)。あれから39年の長い年月が流れ過ぎている。

 マスコミに多くの話題を提供したミカが亡くなった時、週刊誌やスポーツ紙がその死を報道してくれた。

 それらを読まれた女流作家の丸川加世子さんが、ミカのことを小説にしたいという申し入れがあり、日記、写真、週刊誌などの切り抜き帖などをお貸しした。

 仙台の七夕祭りに行く超満員の夜汽車の中でのミカとの出会いから事故死するまでの15年間を何日もかかって話をした。

 1971年(昭和46年)の8月1日発行の『小説現代』(講談社刊)に、「被虐の舞踏家」というタイトルで掲載された。

 その後、1周忌も待たずに再婚し、日本初の同性愛誌『薔薇族』を創刊させたことで忙しさにまぎれて、丸川さんに資料をお貸ししていたことなど、すっかり忘れてしまっていた。

 しかし、ミカにとっては作品の芸術性よりも「裸」ということだけに、マスコミのスポットが当てられてしまったことを気にして、なぜ、裸で踊るのか、なぜ、性をテーマにした踊りを創作するのかということを世の中の人に訴えたかったに違いない。

 それができるのは僕しかと思うと、なんとしても本として残しておきたいという思いがつのるばかりだった。

 なんとすっかり忘れていた丸川さんにお貸ししていた資料が数年前に戻って来たではないか。まさにタイム・カプセルのふたを開けるような思いだった。

 しかし、それからが僕にとって、次から次へと多くの試練が待ち受けていた。『薔薇族』の廃刊、左膝の人工膝をつける手術。75年住み慣れた家と土地を信用金庫にとられての狭いマンションへの引っ越しと。

 6畳2間だけの狭いマンションでは、机に向かって原稿を書いているすぐそばに女房が座っている。

 女房の久美子が知らんぷりしてくれていなければ、この本は生まれなかった。世界大不況の中、ネットの出現で、今や出版界は苦境に追い込まれている。2社に断られ、やっと彩流社が出版を引き受けてくれたが、初刷りはたったの2000部だ。

 6月に出版され、共同通信社文化部が、すぐさま僕の写真入りでインタビュー記事を全国の有力地方紙、30紙に配信してくれたというのに、ほとんど反響がなかったそうだ。

 朝日新聞社会部の小泉信一記者、10年ほど前に、初めて『薔薇族』を紹介してくれた人だ。小泉さんは人情に熱い人で、下町の売れない芸人などを記事にしたりしている。著書に『東京下町』(創森社刊)があり、最近、朝日新聞出版から『お〜い、寅さん』(本体900円)も出された。

 自ら志願して日本最北端の稚内におもむき、支局長を勤めるなどの変わり者だ。そこで記事にした高倉健の話を読んで、朝日新聞の社長さんが感動して小泉さんに電話をかけてきたそうだ。

 小泉さんは自分が書いた『裸の女房』の記事のゲラ刷りを読んで、涙を流したと電話をかけてくれた。短い文章の中に、全身全霊をこめて書く。心のこもったいい記事を書く記者は少ない。そんな小泉記者が記事にしてくれた僕は幸せ者だ。

 もう本は売れなくてもいい。朝日が記事にしてくれたということは大変なことなので、まさに「最高で〜す!」と叫びたいぐらいだった。。

 銀座のキャバレー「白いばら」での出版記念会、この不況のおりに、、大枚1万円の会費を払って集まってくれた多くの友人、知人たち。出席できないのにカンパしてくれた人たち。こうした僕を支援してくれる良き友人、知人たちがいる限り、いい仕事を残して多くの人たちの友情に報いたいと思っている。

★『薔薇族』の注文の方法は、郵便局で千円の定額小為替を作ってもらってお送りください。155-0032 東京都世田谷区代沢2-28-4-206 伊藤文学

399

★新しく『薔薇族』を置いてくれる古本店・「ビビビ」が下北沢にあります。〒155-0031 東京都世田谷区北沢1-45-15 スズナリ横丁1F・北沢タウンホールの筋向いです。読者好みの古書が沢山置いてあります。電話03-3467-0085です。

◆永遠のベストセラー「愛の潤滑液 ラブオイル」一度お試しあれ。

Nurnuru2 Nurnuru3

 

◆お求めはこちらから

◆ご感想・ご相談はこちらへbungaku@barazoku.co.jp

 

 

 

| | コメント (1) | トラックバック (1)

2009年10月28日 (水)

ヤマジュンの未発表作品が本になるぞ!

 「ヤマジュン」旋風がネット上で、巻き起こってから、すでに6年が経過しているというのに、その人気は衰えることを知らない。

「ウホッ!!いい男たち」が「復刊ドットコム」から発売されたのが2003年の10月のことだ。

 定価が本体4800円+税というような、劇画の本では珍しいほど高価な本が、すでに版を重ねて6刷りにもなっている。

 この本には『薔薇族』誌上で発表された、すべての作品が納められ、35作品が掲載されているが、まだ未発表の作品が何作かあったのだ。

 3年前、地元のS信用金庫の借金の担保になっていた50坪の土地と家、75年も住み慣れていた僕の家だ。無惨にも家を明け渡すことになり、追い立てられるように荷物を片付けはじめた。

 親父の代から荷物をかなり処分したが、捨てられないものは、段ボールに詰め込んで何台ものトラックで新潟の金庫に運び込んだ。

 何作か未発表の作品が残っていることを記憶していたが、3階の金庫のようになっていた部屋の下積みになっていた中から茶封筒に入ったヤマジュンの作品を見つけ出したのだ。

 封筒の中には、16頁1作品の4作品が入っていたではないか。S信用金庫に家をとられなければ。永久にこの4作品は見つからなかったに違いない。

 ヤマジュン作品を毛嫌いする編集スタッフの「やめさせろコール」に負けないで掲載を続けていたら、ヤマジュンはまだまだ作品を書き続けていたに違いないが、今更悔やんでもどうにもなるものではない。

 それだけにこの残された4作品は貴重なものと言っていいだろう。

 10月末日に社名を「復刊ドットコム」と変えた会社から、この4作品を納め、ヤマジュンのイラストを使った「やらないかバンダナ付き」の「ウホッ!!いい男たち2・ヤマジュン・未発表作品集」が発売される。

 バンダナ付きの限定版は初版だけで、増刷したとしてもバンダナは付いていない。「復刊ドットコム」にアクセスして早めに注文してください。

 僕としてもこの本の出版は何とも嬉しい気持ちでいっぱいだ。

Photoやらないかバンダナ


★『薔薇族』の注文の方法は、郵便局で千円の定額小為替を作ってもらってお送りください。155-0032 東京都世田谷区代沢2-28-4-206 伊藤文学

399

★新しく『薔薇族』を置いてくれる古本店・「ビビビ」が下北沢にあります。〒155-0031 東京都世田谷区北沢1-45-15 スズナリ横丁1F・北沢タウンホールの筋向いです。読者好みの古書が沢山置いてあります。電話03-3467-0085です。

◆永遠のベストセラー「愛の潤滑液 ラブオイル」一度お試しあれ。

Nurnuru2 Nurnuru3

 

◆お求めはこちらから

◆ご感想・ご相談はこちらへbungaku@barazoku.co.jp

 

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2009年10月21日 (水)

「相棒」の新コンビはミスキャスト!

 「テレビ朝日」の人気番組、「相棒」の新シリーズが始まった。主人公・杉下右京(水谷豊)と、長年の相棒だった亀山薫(寺脇康文)が前期で退職、代わりに公安畑から〝飛ばされた〟神戸尊(及川光博)が新たにコンビを組む。

 僕はこの新しいコンビは全く気に入らない。キザな杉下右京(水谷豊)となぜ対称的な役者を選ばなかったのか。ごっつい体育会計の短髪でイモみたいな役者とコンビを組むから見ていておもしろいので、杉下右京に輪をかけたような及川光博のキザっぽさは鼻持ちならない。

 ひたいにかかる髪の毛を首を振って持ち上げる仕草を見るといやになる。これは完全にミスキャストではないか。

 夫婦だって亭主がおとなしい人ならば、女房は男っぽい女を選ぶだろう。

 これが「相棒」でうまくいくのだろうかと、見るものに思わせなければおもしろくない。同じような性格の「相棒」ではダメなのでは。

 最近のドラマの製作はテレビ局が製作するのではなくて、映画会社の「東映」に製作させているようだ。その方が製作費が安くてすむからだろう。

 テレビ局も、新聞社も、出版社もみんな苦しくなっている。最近はNHKのテレビだけがよく見えて来るから不思議だ。

 「水戸黄門」にしても、「子連れ狼」にしても古い作品の方がお金もかけているし見応えがある。

 「水戸黄門」の助さん、格さんにしても、今放映中の役者の体格が貧弱で、それが多くの斬られ役の役者をバッタ、バッタと打ちのめすのは不自然だ。

 2時間スペシャルの「相棒」は期待していただけに見ていてがっかりだった。

 僕が男の好みを言うのは自分でもおかしいと思うが、長年『薔薇族』を藤田竜君と出し続けてきたので、いつの間にか藤田好みの男が好きになってしまったのか。

 藤田君に聞いたわけではないが、及川光博なんていう役者は、彼も好きではないだろう。短髪でスカッとした男を選んでほしかったと言うに違いないのだ。

★『薔薇族』の注文の方法は、郵便局で千円の定額小為替を作ってもらってお送りください。155-0032 東京都世田谷区代沢2-28-4-206 伊藤文学

399

★新しく『薔薇族』を置いてくれる古本店・「ビビビ」が下北沢にあります。〒155-0031 東京都世田谷区北沢1-45-15 スズナリ横丁1F・北沢タウンホールの筋向いです。読者好みの古書が沢山置いてあります。電話03-3467-0085です。

◆永遠のベストセラー「愛の潤滑液 ラブオイル」一度お試しあれ。

Nurnuru2 Nurnuru3

 

◆お求めはこちらから

◆ご感想・ご相談はこちらへbungaku@barazoku.co.jp

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年10月18日 (日)

死のうと思ったら、周囲の人に話せ!

 『薔薇族』の読者から、こんな手紙をもらったことがありました。

 「私がなぜ、この道に入ったのかというと、やはり世間のお定まりのコースを歩んで来たのです。
 あれは中学2年の2学期末の試験勉強をしていて、勉強に疲れた私は外に出たときに、知り合いの人に会い、話をしていて、ふいをつかれて犯されてしまったのです。それ以来というもの、私の体は男にしか反応を示さなくなってしまったのです。
 私は、その人をうらみました。憎しみました。こんな自分になったのをせめ、こんなにさせたその男を・・・。
 高校に入り、1年の学年末、私は自殺未遂をしました。どんなにかこの道から抜け出たいと思いましたが、体がいうことを聞いてくれないのです。
 2年生になり、理解ある担任の先生に恵まれ、その先生に相談していましたが、どうにもならず、2度目の自殺未遂をやったのです。
 先生に支えられて、やっと生きる決心をしたのですが、今度はその担任の先生を好きになってしまったのです。
 こんなことでよいのでしょうか。今でも不安は募るばかりです。」

 「伊藤さんにこの手紙が着く頃には、僕はこの世にいないでしょう」なんて手紙をもらったので、心配して電話をかけてみたら、お母さんが出て、「息子は今、アルバイトに行っています」なんていわれたり、まず死ぬなんて言ってくる人は自殺なんかできません。

 本当に自殺する人は、人に黙って死んでしまいます。我が家と同じように地元のS信用金庫にいじまられて屋上から身を投じて自殺してしまった奥さんの話を書きましたが、今年も自殺者は増えるばかりで、3万人を越すそうです。

 僕の住んでいるマンションの1階にある不動産屋さんの話だと、どのマンションも満室になっているところは少ないそうです。それに入居者に家賃を値切りに値切られるそうで、礼金とか、敷金も1ヶ月分しかとれないとか。莫大な借金をしてマンションを建てた大家さんはみんな返済に困っているようです。

 朝日新聞の10月8日の朝刊に、白夜書房の編集局長の末井昭さんが、「見て見ぬふりせず死者悼ね」という長い記事をのせています。

 ご自分の体験を赤裸々に書いているのですが、小学校に末井さんが入学した頃、お母さんが隣りの家の10歳年下の青年とダイナマイト自殺したそうです。お母さんが32歳のときとか。

 末井さんは自殺について、こんなことを書いています。

 「ひとりで悩んで考えても問題は解決しない。
 だから、まず『死のうと思っている』と周囲に言いふらして、窓を開けることです。死のふちで迷っている人の話は、みんな真剣に聴いてくれるはずです。話しているうちに、何とかなるのに、その発想がなかっただけだった、と気づくこともあるんじゃないかな。
 (中略)
 死者を心から悼んで、見て見ぬふりをしないでほしいと思います。どうしても死にたいと思う人は、まじめで優しい人たちなんです。
 みんなが心から悼んで、1年に3万人も死ぬ事態を議論するようになれば、何を変えなきゃいけないか見えてくる。それが一番の自殺防止になるんじゃないか、と考えています。」

 台風で亡くなった人の話は新聞に大きく報じられて、自殺した人の話は記事にもならない。1年に3万人以上の人が死んでいるなんて、大変な話なのに、近所の人にも自殺したことを隠して内緒にしてしまう。これでは死んだ人も浮かばれないのでは。

Photo


★『薔薇族』の注文の方法は、郵便局で千円の定額小為替を作ってもらってお送りください。155-0032 東京都世田谷区代沢2-28-4-206 伊藤文学

399

★新しく『薔薇族』を置いてくれる古本店・「ビビビ」が下北沢にあります。〒155-0031 東京都世田谷区北沢1-45-15 スズナリ横丁1F・北沢タウンホールの筋向いです。読者好みの古書が沢山置いてあります。電話03-3467-0085です。

◆永遠のベストセラー「愛の潤滑液 ラブオイル」一度お試しあれ。

Nurnuru2 Nurnuru3

 

◆お求めはこちらから

◆ご感想・ご相談はこちらへbungaku@barazoku.co.jp

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年10月16日 (金)

大きく羽ばたくか「古書ビビビ」

 下北沢の南口商店街は、つぶれる店はあっても、しばらくすると、また新しい店が誕生する。しかし、裏通りや横町に入ると、シャッターが降りたままになっている店が目立つようになってきた。

 金、土、日はなんとかお客が入るが。平日はガラガラの店が多い。人はたくさん歩いているが、お金を持たない若者ばかりだ。

 コーヒー200円の「イタリアン・トマト」からガラス越しに歩いている人の姿を眺めていても、高価な服装を身に着けて歩いている人の姿は少ない。

 みんな収入が少なくなって、お金を使えなくなってきていることは間違いないようだ。

 茶沢通りに面しているので、クルマの往来は激しいが、下北沢の繁華街から見れば場末と言える「鈴なり横丁」、2階は小さな劇場になっていて、1階は小さなバアがひしめいている。その角に「古書ビビビ」がある。

 『薔薇族』の復刊号を置いてもらおうと訪ねたが、「うちは古書店なので、新しい本は置けません」と、若いご主人に断られてしまった。あきらめずに何回か顔を出しているうちにようやく置いてもらえるようになった。

 そのうちに若いご主人が、僕の後輩だということを知った。駒沢大学文学部国文科の出身と聞いて、急に親近感を持ってしまった。国文科の学生は少ない、まして東京在住の卒業生は少ないのだ。それからは僕のブログで紹介したり、古書を持ち込んだりして応援している。

 「古書ビビビ」が、小さな店から「タウンホール」の筋向かいの広いお店に移ったのだ。家賃も倍以上になるし、この不景気な世の中に大丈夫かと心配になるが、結婚もしたし、若い2人で頑張ろうということだ。

 この6月に彩流社から刊行した僕の本、「裸の女房」を5冊置いてもらっているが、残念ながらまだ1冊も売れないのだ。「朝日新聞」に記事にしてもらって、それをきっかけに売り込もうと考えていたのに取材してもらえなかった。

 共同通信の文化部の記者が、カメラマンを連れてきて取材してくれて、全国の地方の有力紙に写真入りで読書欄に載ったのに、それほどの効果はなかった。

 『薔薇族』のことを初めて「朝日新聞」に紹介してくれたK記者、『薔薇族』が6年前に廃刊になったときも記事にしてくれ大反響を巻き起こした。

 「裸の女房」のこと必ず書きますよと電話してくれて3ヶ月が経った。もう記事にならないとあきらめていたのに、10月6日、取材に来てくれるという電話がかかってきた。

 本が出版されたことだけで僕は満足しているので、「朝日新聞」が、伊藤ミカという33歳の若さで死んでしまった舞踏家が、1960年代という時代に生きて素晴らしい足跡を残したということを書いてくれる。

 それとその記事を読んで大きく羽ばたいて飛躍しようとしている「古書ビビビ」に置いてある5冊の「裸の女房」が売れてくれれば、それだけで満足だ。

★「古書ビビビ」 〒155-0031 北沢1丁目-40-8 ☎03(3467)0085 火曜日定休 営業時間12時〜午後9時迄 下北沢の南口に出てタウンホールを聞いて下さい。小田急バスだと三軒茶屋のスーパー西友の前から終点タウンホール下車。タウンホールの筋向かい。

★『薔薇族』の注文の方法は、郵便局で千円の定額小為替を作ってもらってお送りください。155-0032 東京都世田谷区代沢2-28-4-206 伊藤文学

399

★新しく『薔薇族』を置いてくれる古本店・「ビビビ」が下北沢にあります。〒155-0031 東京都世田谷区北沢1-45-15 スズナリ横丁1F・北沢タウンホールの筋向いです。読者好みの古書が沢山置いてあります。電話03-3467-0085です。

◆永遠のベストセラー「愛の潤滑液 ラブオイル」一度お試しあれ。

Nurnuru2 Nurnuru3

 

◆お求めはこちらから

◆ご感想・ご相談はこちらへbungaku@barazoku.co.jp

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年9月15日 (火)

伊藤文学〜第1回「やらないかの集い」

 山川純一君が残してくれた、呼びかけの言葉「やらないか!」。これはエッチな言葉ではなく、日本中の人たちが、うつむき加減で、元気をなくしている今の世の中。元気を出して行動を起こせと呼びかけているのではなかろうか。
 
 1971年、日本で最初の同性愛者に向けての雑誌『薔薇族』を創刊した伊藤文学と熱く語り合おう!
 
 すべて日本で最初の仕事を次から次へと実行した男。男性ヌードの写真集、少年の写真集、ビデオの製作、「薔薇と海と太陽と」「白い牡鹿たち」「愛の処刑」などの映画の製作。同性愛の世界をリードし続けた35年を語ります。ぜひ、みなさんでお出かけください。

日時:9月28日(月曜日)夜7時から9時
場所:下北沢南口「ONE LOVE BOOKS」
会費:1000円(ワンドリンク付き)

〒155-0031 東京都世田谷区北沢2-1-3
       ☎03(3411)8302

★下北沢の改札を出て、左の階段を降りる。南口商店街を5分ほど歩くと、右側に「餃子の王将」があり、その前の「膳場八百屋」の横を左に曲がると4、5軒目。「足立屋酒店」の前。

Photo_4山川純一の「もっこり抱き枕」


| | コメント (1) | トラックバック (0)

さびれゆく北沢八幡宮の祭りを嘆く!

 僕の父、祷一が平成3年9月8日、86歳で亡くなってから、すでに18年になる。

 地元の北沢八幡宮の祭礼の日が、何時の頃からか、9月の第1土曜日、日世彌になっていって、平成3年の9月8日は日曜日で、祭礼の日だったと記憶している。

 今年は9月6日が祭礼の日だった。その日、女房の久美子と僕が運転するクルマで、多磨墓地にお墓参りに行って来た。そのために北沢八幡宮には、行かずじまいになってしまった。

 今年が創立130周年を迎えるという歴史のある代沢小学校に、戦時中に僕は通っていたが、お祭りの日は、教室で授業を受けていても太鼓のどん、どん、という音が聞こえてくると、僕ら子ども達は、早くお祭りに参加したいとそわそわしていたものだ。

 子ども達だけでなく、大人達も祭礼の日を待ちわびていて、その日は朝からお赤飯を炊いて、ごちそうを作り、嫁いでいる兄妹達も、子ども達を連れて集まって来た。それは我が家だけではなくて、ご近所のどこの家でもそうしていた。だからしばらく会わないでいた人たちと出会うこともできた。

 もう10年近くになるだろうか。パチンコ屋の景品のことでもめたのか、下北沢のパチンコ屋のシャッターに、ピストルの銃弾が撃ち込まれるという事件があった。

 警視庁の暴力団担当の人が、北沢警察署に署長として赴任して来て、祭礼にお店を出して来たテキ屋を暴力団の資金源になるということで、すべてしめ出してしまった。

 北沢八幡宮のお祭りが、にぎやかだった頃は境内はもちろん参道の茶沢通りにつながる狭い道の両側にも、お店がずらりと並んだものだ。

 みこしの宮入りの時間になると、各町会の大人みこし、子どもみこしが次々とくり出してくる。茶沢通りは、交通止めになって、それを見物する人たちが歩道にあふれたものだ。

 テキ屋がいなくなって、出店するのは、ボーイスカウトやPTAの父兄達、法人会の会員達とか素人達になってしまった。

 みこしをかつぐ人たちも、角刈りの威勢のいい若者ではなく、女性が多くなってしまったから、迫力を全く感じられなくなってしまうのは当然のことだ。

 テキ屋が醸し出す何とも言えない崩れたムードは、素人に出せるわけがない。祭りが魅力を失い、年々寂れていくのはテキ屋を追い出してしまったからだ。

 国民的英雄のような「寅さん」だって、テキ屋だし、テキ屋を追放するということは、「寅さん」を否定するようなものではないか。

 商店街の人たちも、寂れていく北沢八幡宮のお祭りをうれえて、テキ屋を呼び戻すことを願っている。

 都内でも多くの人が集まることで有名な麻布十番のお祭りは、警察の警告を無視して、東京だけでなく、関西のテキ屋も出店しているそうだ。

 麻布十番に事務所を持つ宇野亜喜良さんは、7、8年前から商店街の人たちのため、街のために、ポスター、うちわ、Tシャツ、電信柱に付けるのぼりのデザイン、イラストを担当している。

 宮司さんが決めるのか、北沢八幡宮の総代のような街の有力者が決めるのかはわからないが、このままでは寂れていくばかりだ。なんとか、みんなが楽しめる活気あふれる祭礼にしたいと願っているのは僕だけだろうか。

Photoかつぎ手は女ばかり。男もひ弱で迫力がないことおびただしい。
Photo_2麻布十番のお祭りで配られた宇野亜喜良さんイラストのうちわ


★『薔薇族』の注文の方法は、郵便局で千円の定額小為替を作ってもらってお送りください。155-0032 東京都世田谷区代沢2-28-4-206 伊藤文学

399

★新しく『薔薇族』を置いてくれる古本店・「ビビビ」が下北沢にあります。〒155-0031 東京都世田谷区北沢1-45-15 スズナリ横丁1F・北沢タウンホールの筋向いです。読者好みの古書が沢山置いてあります。電話03-3467-0085です。

◆永遠のベストセラー「愛の潤滑液 ラブオイル」一度お試しあれ。

Nurnuru2 Nurnuru3

 

◆お求めはこちらから

◆ご感想・ご相談はこちらへbungaku@barazoku.co.jp

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年9月 7日 (月)

40年間、よくぞ残せた宇野亜喜良さんのポスター

 「ポスターハリスギャラリー」から「宇野亜喜良60年代ポスター展」のチラシと招待券が送られて来た。

 日本が高度成長期にあって、活気に満ちあふれていた時代、三池炭坑のストライキ、日本社会党の委員長の浅沼稲次郎さんの演説会での右翼の若者による刺殺事件、1964年には「週刊平凡パンチ」が創刊、東京オリンピックが開催される。

 1968年には、金嬉老事件、3億円事件、翌年には米・宇宙船アポロ11号が月面着陸。

 そんな時代に若い芸術家が次々と現れた。広告、デザイン関係では、宇野亜喜良、横尾忠則、和田誠、演劇関係では状況劇場の唐十郎、寺山修司など、数えきれない若者たちが活躍した時代だった。

 明治通りと表参道の交差点に、米軍関係者のために建設されたという純西洋式の高級賃貸アパートだったセントラルアパートに、宇野さんのアトリエはあった。

 昭和30年代後半から、カメラマン、コピーライター、イラストレーターなどが事務所を構え、当時のクリエイターたちのステイタスともいえた。

 宇野さんは「マックスファクター」の専属デザイナーでもあり、一番輝いていた時代だった。

 わが女房の舞踏家、伊藤ミカも、60年代後半に活躍した。邦千谷舞踏研究所から独立し、1966年に「伊藤ミカ ビザール バレエ グループ」を結成し、1967年の10月30日、31日と新宿厚生年金会館小ホールで旗揚げ公演として、フランスの地下文学の最高傑作といわれる「O嬢の物語」を上演した。

 その時のポスター、チラシ、チケット、プログラムなどのデザインを宇野さんが引き受けてくれた。

 セントラルアパートの宇野さんの事務所には、何人もの若者が働いていて、扉は開きっぱなしになって、BGMが廊下まで聞こえ、ものすごい熱気にあふれていた。

 12月26日には再演。マスコミに取り上げられて話題になった。

 翌年の1968年12月16日から3日間、栗田勇原作の「愛奴」を舞踏化、同じく新宿厚生年金会館小ホールで700名収容の客席を満員にした。

 1969年には、赤坂のクラブ、スペースカプセルでのショウ、「静かの海の恐怖」のポスターも宇野さんがデザインしてくれた。「ポスターハリスギャラリー」から送られて来たチラシには、60年代の宇野さんがデザインし、イラストも描いたポスターがずらりと並んでいる。

 伊藤ミカの舞踏公演のポスターは3点。いずれもシルクスクリーンという印刷で作られている。今時のオフセットのような印刷でなく、職人の技術で一色、一色を積み重ねていく印刷手法で大量には作れない。

 なんと今から40年前に印刷された作品だ。僕はこれらのポスターを大変な思いをして保存してきた。

 なにしろミカが事故で33歳で亡くなって、1周忌を待たずに再婚し、保存していた場所も2、3度変わってしまった。自分でもよく残せたものと感慨深いものがある。

 3点の作品を会場で展示し、即売することにしている。ぜひ、ご購入の上、額装して飾ってもらいたいものだ。もちろん、僕の著書「裸の女房」(彩流社刊、定価2100円)もサイン入りで販売している。

 ★「宇野亜喜良60年代ポスター展」2009年10月7日(水)まで。入場料300円。13時〜19時、9月7日・14日・27日、10月5日は休廊。渋谷区道玄坂2-26-18 朝香ビル103号、電話080-2023-0499 http://posterharis.com/gallery.top.html

★『薔薇族』の注文の方法は、郵便局で千円の定額小為替を作ってもらってお送りください。155-0032 東京都世田谷区代沢2-28-4-206 伊藤文学

399

★新しく『薔薇族』を置いてくれる古本店・「ビビビ」が下北沢にあります。〒155-0031 東京都世田谷区北沢1-45-15 スズナリ横丁1F・北沢タウンホールの筋向いです。読者好みの古書が沢山置いてあります。電話03-3467-0085です。

◆永遠のベストセラー「愛の潤滑液 ラブオイル」一度お試しあれ。

Nurnuru2 Nurnuru3

 

◆お求めはこちらから

◆ご感想・ご相談はこちらへbungaku@barazoku.co.jp

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年8月13日 (木)

大原麗子さんの孤独死に思うこと。

 「孤独死」なんという寂しい言葉だろう。『薔薇族』の読者は、結婚をしないで生涯、独身生活を送る人が多いから、年老いて孤独死する人が多い。

 我が家には電話が2本ある。03・3421・5462番の電話は、親父が戦後、第二書房を創立した頃から使っている。『薔薇族』を創刊した時から、この電話番号は奥付に記されているから、今でも古い『薔薇族』を引っ張り出して、電話をかけてくる人が時々いる。

 20代、30代に『薔薇族』と出会った読者も今では50代、60代になっていると思われる。地方から電話をかけてくる人がほとんどだが、僕みたいにネットを使えない人たちだ。まだ文通欄が載っていると思っている。

 「時代が変わってしまって、文通なんて時代遅れで、ネットを使わなければ、相手を見つけられないんですよ」と言うのだが、「友達が欲しい、話し相手が欲しい」と訴えられても、今の僕にはどうにもしてあげられない。

 地方に住んでいて、一人暮らし。親族とも付き合わない。一日中、しゃべる相手がいない人もかなりの数になっているのでは。

 女優の大原麗子さんが自宅で孤独死されていた。大原さんと僕との出会いがなければ、ただ、かわいそうにと思うだけだろうが、大原さんは2、3度、我が家に訪ねて来たことがあったのだ。

 1984年に歌手、森進一と離婚した際に「わたしは台所で家事をするより、台本を読んでいる方が好きなんです。家に男が二人いたんです」と発言したことが反響を呼んだ。

 この言葉をどのように受け取るべきだろうか。森進一は家庭的な奥さんを望んでいたのだろうが、大原さんは家事よりも仕事をということだが、もう少し深く考えてみると、大原さんは、外見から見ると、いかにもやさしく女らしく見えるが、内面的には男の部分を多く持っていたのでは。

 弟さんがいるようだが、おそらく大原さんは長女だったのでは。一姫二太郎のような家族構成だと、長女は男っぽくなるし、弟は女性的でやさしい感じになってしまうことが多いと思う。

 大原さんがかつて下北沢の北口に、僕が経営していた喫茶店「イカール舘」にも来られたが、大原さんはフランスのアール・デコの時代に活躍した画家、ルイ・イカールが好きだったからだ。

 大原さんは一人で来られたのではなく、ゲイ・バアの「Y」のママと連れだって来られたのだ。「Y」のママが森進一と大原さんを紹介したのかもしれない。

 「Y」のママは、美川憲一さんとも親しく、ロサンゼルスにも二人でよく旅行していたようだ。

 美川憲一さんもルイ・イカールのエッチングがお好きなようで、イカールの絵をコレクションされている。

 イカールのことを僕は「巴里の夢二」と呼んでいたことがあったが、巴里の美女を好んで描いた画家で、イカールはゲイだったのでは。

 男性のゲイの場合は、行動を起こせば相手を見つける施設もあるし、発散する方法はいくらもあるが、女性の場合はそうはいかない。

 レズバアの数も少ないし、理想の相手を見つけることは難しい。自分の欲望をストレートに出せないから、どうしても気持ちが内向して暗くなってしまう。

 大原さんは難病を患っている上に、うつにもならざるを得なかったのでは。一人で暮らしていてどんなにか寂しかったことか。

 テレビプロデューサーの「I」さんも、大原さんの死を聞いて号泣したとか。女性ももっとオープンになれないものだろうか!

★『薔薇族』の注文の方法は、郵便局で千円の定額小為替を作ってもらってお送りください。155-0032 東京都世田谷区代沢2-28-4-206 伊藤文学

399

★新しく『薔薇族』を置いてくれる古本店・「ビビビ」が下北沢にあります。〒155-0031 東京都世田谷区北沢1-45-15 スズナリ横丁1F・北沢タウンホールの筋向いです。読者好みの古書が沢山置いてあります。電話03-3467-0085です。

◆永遠のベストセラー「愛の潤滑液 ラブオイル」一度お試しあれ。

Nurnuru2 Nurnuru3

 

◆お求めはこちらから

◆ご感想・ご相談はこちらへbungaku@barazoku.co.jp

| | コメント (1) | トラックバック (1)

2009年7月 8日 (水)

人々を夢心地にした美術館が消えてしまう!

 『薔薇族』の編集の良き「相棒」だった、藤田竜君によく注意されたものだ。「奥さんの話、女の話は書かない方がいいよ」と。

 その教えをずっと守り続けて来たが、しかし、苦労に苦労を重ねて、やっと本になった先妻との出会いから事故死するまでの15年間の話を綴った「裸の女房」(彩流社刊・定価2100円)の話を書き過ぎてしまった。この辺で止めておかないと、僕のブログを見てくれている人が見なくなってしまうと思うので、話を次からもとに戻そうと思う。

 その前にひとつだけ書いておきたいことがある。「テレビ朝日」の、20日午後7時からの「美空ひばり旅立ち20年」の映像を見たが、日本を代表する写真家の篠山紀信さんが登場して、ひばりに気に入られ、東京ドームでの最後のコンサートでの撮影秘話などを語られていたが、彼は、先妻の舞踏家、伊藤ミカの稽古場に来てくれて、お弟子さんたちとの練習風景を激写してくれ、美術雑誌の「芸術生活」に載せてくれた。

 そのときの1点を、見開きで「裸の女房」の文中に入れられたことは、すごいことで光栄なことだと思っている。

 僕は、この本の中で、ミカの舞踏理論とか、なぜ「性」をテーマに創作したのかを知ってもらいたいという考え方も、もちろんあったが、僕は『薔薇族』の編集長を長いこと続けて来て、くどいようだけど日本の芸術や文化を支え、引っ張ってきたのはゲイの人たちだという誇りを、若い人たちに持ってもらいたいということをこの本で伝えたかったからだ。

 新潟県の弥彦村に、僕がオープンさせた「ロマンの森美術館」。平成5年の11月3日にオープンした、この美術館は、『薔薇族』を出し続けて来て、多くの知り合ったゲイの人たちから自然に学び取った感性と美意識の集大成だと僕は思っている。

 ゲイ感覚で造った美術館だからこそ、女性たちに好意を持って受け入れられたのだろう。

 かつての美術館の欠点をすべてなくした美術館にしたいという理想を掲げ、年中無休、朝10時から夜9時まで営業と。

 そのためにはまず人件費がかかり過ぎてしまう。みんなができないということはそれだけの理由があるからだ。

 オープン当時は、あらゆるマスコミが取り上げてくれて、1日に500人以上も入館したことがあった。レストランなども椅子に座るのに1時間待ちは当たり前だった。

 しかし、時代は急速に変わっていった。インターネットの普及が雑誌の首を絞め、雑誌の売れ行きは落ちるばかり。それに長引く不況は、人々のサイフのひもを固くするばかりだった。

 大きな痛手は新潟を襲った地震だ。これの影響で人々の出足は遠のき、それと100年に一度という経済不況で、弥彦を訪れる客は少なくなるばかり。

 そして、雑誌は廃刊に追い込まれ、3年前に美術館も閉館したが、「新潟日報」に書いた僕の記事を読んだ、新潟市内の1社が声をかけてくれ、営業を引き継いでくれた。

 しかし、その会社も赤字になり、5月末日で投げ出されてしまった。2億5000万円を建築資金に投入して建てた美術館。その代償として、75年住み慣れた家と土地を信用金庫に取られるという痛い目にあったが、なんとしてもこの美術館を廃墟にはしたくない。

 また、「新潟日報」が文化欄に、僕の記事を載せてくれるという。どなたか後を引き継いでくれるお金持ちはいないものだろうか。

Photo_2ルイ・イカール画「青春」(1930)

☆お知らせ☆ 

このたび発売となりました「ヤマジュンTシャツ」をお買い上げいただいた皆さんに、製品の取扱いに関するお願いをさせていただきます。

(1)シルクスクリーンのプリントは熱に弱い為、乾燥機やアイロンの使用はお避けください。

(2)洗濯時は裏返して洗っていただくと日持ちがよくなります。

という注意書きが製作業者のほうより来ております。どうぞ皆様、この2点にご注意のうえ、末永くご愛用ください!


★『薔薇族』の注文の方法は、郵便局で千円の定額小為替を作ってもらってお送りください。155-0032 東京都世田谷区代沢2-28-4-206 伊藤文学

399

★新しく『薔薇族』を置いてくれる古本店・「ビビビ」が下北沢にあります。〒155-0031 東京都世田谷区北沢1-45-15 スズナリ横丁1F・北沢タウンホールの筋向いです。読者好みの古書が沢山置いてあります。電話03-3467-0085です。

◆永遠のベストセラー「愛の潤滑液 ラブオイル」一度お試しあれ。

Nurnuru2 Nurnuru3

 

◆お求めはこちらから

◆ご感想・ご相談はこちらへbungaku@barazoku.co.jp

| | コメント (0) | トラックバック (0)